たかが疲れと放置しておくと、いつの間にか蓄積して疲れが取れにくくなります。これが老化を進めたり、生活習慣病にもつながることに。いつまでも元気で若くいるために、効率よく疲労回復するコツを知っておきましょう。
コロナ禍で「見えない疲労」が蓄積。気づかないうちに回復しにくくなっていることも
リモートワークやステイホーム、外出や旅行の制限など、コロナ禍で大きく生活が変わりました。ある調査では半数以上の人が「コロナ禍による不安疲労」を感じているという結果もあります。
「自分がコロナにかからないか」「気づかないうちに他人にうつしてしまわないか」「仕事がなくなったり収入が減るのではないか」などの不安からくる精神的疲労とともに、外出が減ることによる生活活動量の減少や不規則な生活が、睡眠障害や慢性疲労につながっていると考えられます。
家にいることで職場や社交での人間関係のストレスが少なくなったという声もありますが、適度なストレスは脳を刺激して自律神経の活性化につながり、電車での立ちっぱなしや面倒な駅の階段も筋肉への刺激になっていました。「withコロナ」の生活はメリハリに欠け、心身へのストレスが少ないことも、疲労を増幅する原因となっているようです。
疲労は体と心のピンチを告げるサイン。蓄積されればさまざまな病気にも
疲れは熱や痛みと同じく、心身のピンチを告げるサインですが、熱や痛みと異なり、自覚しにくいのが特徴で、「気のせい」と軽くすましてしまいがちです。
すぐに疲れが解消されればよいのですが、疲れが蓄積されると自律神経系への影響が生じ、代謝やホルモン、免疫の機能低下を招き、さまざまな不調につながります。ひどい場合はうつ病を発症したり、免疫力の低下が感染症やがんのかかりやすさを招く場合もあります。
特に50代以上の人は、コロナ禍で外出を控え、活動量が減ったことによる筋力低下や関節や骨への悪影響が心配されており、疲れがたまることでさらに運動量が減少、心身が虚弱になる「フレイル」におちいる危険性が心配されています。
あなたは大丈夫?コロナ疲れをチェック!
自分の疲れはなかなか自覚できないもの。コロナ疲れにおちいっていないか、チェックしてみましょう。下記に一つでもあてはまれば、コロナ疲れである可能性があります。
コロナ疲れをチェック!
身体面
- からだが重だるい
- 疲労感が抜けない
- よく眠れない
- 頭痛や肩こりがある
- 関節の痛みや関節の動きが悪い
- からだを動かすのが億劫だ
精神面
- 不安感が抜けない
- 気分の落ち込み
- 緊張感が常にある
- なんとなくイライラすることが多い
- 一人でいると不安で怖い
- 外出や人に会うのが怖い
- 集中力の低下
- 意欲が湧かない
疲れを感じる前にケアを。プロの手を借りるのもおすすめ
疲れているからと動かないでいると、さらに疲労が蓄積していきます。この悪循環を断ち切る方法をご紹介します。
1. 1日1回は外に出て体を動かす時間を持つ
犬の散歩でも、ちょっとした買い物でもいいので、感染対策をしっかりして出かけましょう。
日光を浴びることも体内時計を整え、夜の安眠につながります。
2. ストレッチやラジオ体操をする
ステイホームの日常的な活動では運動の絶対量が不足。使わない筋肉はどんどん萎縮していきます。運動で軽く汗をかく時間を1日1回持ちましょう。
動画サイトやフィットネスゲームもおすすめです。楽しみながら続けられるものを。
3. 夜はゆっくりお風呂に入る
入浴は血行促進効果、リラックス効果、安眠効果などが期待されます。ぬるめのお湯にゆっくり入って心と体を休息モードに切り替えましょう。好きな香りの入浴剤やアロマオイルを入れるのもおすすめです。
4. 定期的にプロの手を借りる
整体やマッサージなどのボディケアのプロは、人の体を知り尽くしています。疲れの自覚がなくても、疲れの度合いや体の問題点を的確に把握し、確実で効率的な方法で体をケアしてくれます。また、ボディケアのプロは心の悩みを受け止める達人でもある場合が多いもの。施術してもらいながらの会話で、心の疲れまで癒やされることもあるでしょう。
自分ではどうしようもないほど疲れてからプロの手を借りる人も多いようですが、疲れがたまってからプロにかかるよりも、週1回、月2回など、定期的にメンテナンスしてもらえば、疲労が蓄積しにくくなり回復が早くなることがわかっています。
また、プロに定期的に体をみてもらうことで、自分の疲労の周期や傾向などもわかるようになるので、より疲れにくく健康的な生活のヒントが得られます。
自分でできることをしっかり行いながらプロの手も借りて、疲れをためない体、いつまでも若々しい体を目指しましょう。
監修
青木晃先生
銀座よしえクリニック都立大院院長。防衛医大卒。「老化が病気を引き起こす 」という観点からアンチエイジングのフィールドで活躍する抗加齢医学の第一人者。『一生若くいられる「都市型原人」という生き方』など、著書多数。
制作協力
からだにいいこと
創刊17周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。