矯正歯科治療は若い人がするものと思っていませんか?実は40歳以上でも矯正歯科治療はおすすめです。日本は歯並びについての関心が低い「歯科後進国」といわれますが、一方で歯科技工士の技術力は世界一。かけがえのない歯のために、矯正歯科治療の正しい選び方を知っておきましょう。
矯正歯科治療に年齢制限はない!健康面でのメリットも
楽天シニア:
矯正歯科治療というと、子供や若い人が行うというイメージがありますが、シニア世代も行うことができるのでしょうか。
常盤先生:
もちろんです。歯並びは生まれつきの要素も後天的な影響もありますが、原因によらず何歳になっても治すことができます。矯正歯科治療には歯の本数が一定以上あることが必要ですが、最近では歯の数が足りない箇所にはインプラントで歯を増やし、その後に矯正歯科治療を行うということも可能になりました。
楽天シニア:
矯正歯科治療を行うと、どんないいことがあるのでしょうか。
常盤先生:
まず見た目では、横顔やフェイスラインがすっきりときれいになり、スマイルライン(笑ったときに見える前歯の先端を結んだライン)が整います。下の写真は右が矯正歯科治療前、左が矯正歯科治療後の石膏模型です。スマイルラインがきれいに整っているのがわかりますね。以前、60代後半の男性の患者さんに周囲の方の反応をお聞きした時に、「先生、誰が私の顔を一番たくさん見ると思いますか?私です。誰よりも、毎日鏡を見る私がうれしくて笑顔になっています」とおっしゃったのが印象的でした。歯並びが気になって笑ったり発言したりできなかったという患者さんが、矯正をきっかけに職場でも積極的になれたというお話も聞きますね。よく噛めるようになって元気になったとか、呼吸が改善したためか睡眠の質が変わったというお声もあります。
そして見た目だけでなく、噛み合わせはさまざまな影響を全身に及ぼします。シニア世代で増える歯周病は、脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病などとの関連が認められており、歯並びが悪いと歯周病のリスクが高くなりますが、矯正歯科治療をきっかけに歯周病が改善された方もいらっしゃいます。
40歳からはブラケットとマウスピース、どちらがいいの?
楽天シニア:
矯正歯科治療の方法には、どのようなものがありますか?
常盤先生:
大きく分けると、ワイヤーを用いる「ブラケット矯正」と、透明なマウスピースを用いる「マウスピース矯正」があります。ブラケットは歯を移動する力が強い、マウスピースは目立ちにくいなど、両方に良さがあり、どちらを用いるかはその人の歯の状態や症状によるので、一概にどちらがよいとは言えません。症状によってはブラケットとマウスピースを併用することもあります。
楽天シニア:
矯正歯科を選ぶときのポイントはありますか?
常盤先生:
日本矯正歯科学会の認定医や臨床指導医であること。また、矯正歯科治療は完全にオーダーメイドで、一人ひとりのお口に合わせて行うものです。矯正歯科治療の選択肢をたくさん持っている矯正歯科を専門に行っているクリニックのほうが、より自分にフィットする矯正ができると考えられます。矯正歯科治療は自由診療なので、価格が気になる方も多いと思いますが、28本の歯全部を動かすにはそれなりの金額はかかるもの。安ければよいという考え方で選ぶのはおすすめしません。
さらに、矯正歯科治療は矯正して終わりではなく、「保定(ほてい)」といって、動かした歯が後戻りしないように定着させることも重要です。矯正終了後の定期的なチェックやクリーニングなど、アフターサポートもしっかりしてくれる矯正歯科を選びましょう。
私は「保定治療はアンチエイジング治療だ」と言っているんです。全身の若々しさや美しさに関係する歯並びを、定期的にチェックしてもらえるんですから。
日本人には日本人に合った矯正歯科治療が必要
楽天シニア:
矯正歯科治療は欧米が進んでいるというイメージがありますが、実際はどうなのですか?
常盤先生:
欧米では歯(口元)を見せて意思表示をすることが求められる文化もあって、歯並びが悪いと子供の時から積極的に矯正を行うなど矯正に対する意識は高いです。欧米人は骨格的にあごのスペースが広く、前後が大きくズレるような乱れは少ないのでマウスピースでの矯正が主流です。一方、日本人はあごが小さいため、日本人の骨格に合わせた矯正器具や技術が必要で、進んでいるからといって欧米のものをそのまま取り入れればよいということではありません。
矯正歯科治療は完全オーダーメイドですから、歯科医師は歯科技工所と綿密に連携しながら、患者さんにぴったりの矯正治療を行っていきます。矯正は欧米が進んでいると言いましたが、手先の器用さもあって歯科技工所の技術は日本が優れており、海外からも高く評価されています。
歯科医師が頼りにする矯正歯科専門技工所「アソインターナショナル」
楽天シニア:
歯科技工所のアソインターナショナルと先生が一緒に行っている取り組みについて教えていただけますか?
常盤先生:
アソインターナショナルが先駆けて取り組んできた技術により、CTデータと口腔内スキャンデータを組み合わせて、外から見えない歯根の状態まで確認を行ったうえで精密な矯正歯科治療ができるようになりました。特に歯肉がやせていくシニア世代にとっては、安全かつ確実な矯正歯科治療ができる画期的な方法だと思います。
アソインターナショナルは日本で唯一東京証券取引所に上場(※)している矯正専門の歯科技工所で、年間の症例数が日本で最も多く、マウスピースやブラケットから、保定装置まで幅広く製作。製品と技術で矯正歯科治療の全工程に関わり、きめ細かい対応ができるので頼りにしています。
※2022年12月23日東京証券取引所スタンダード市場(コード番号:9340)上場時点
・矯正歯科治療は40歳からも可能
・日本人には日本人に合った矯正歯科治療が必要
・矯正装置はみんな同じではない 歯科医師が頼りにするアソブランド
監修
常盤 肇先生
医療法人社団真歯会 常盤矯正歯科医院 院長
鶴見大学歯学部卒業後、鶴見大学歯学部歯科矯正学講座講師、臨床教授を経て2014年、常盤矯正歯科医院を開院。日本矯正歯科学会臨床指導医。