あなたは普段、どんなふうに買い物袋を持って歩いていますか? 実は持ち手部分の握り方や持ち方次第で、疲れ方が変わってきます。体に負担の少ない持ち方をご紹介しましょう。
荷物の重さによって持ち方が違う
スーパーでの買い物帰り、荷物が重くて腕が疲れてしまう。ぶら下げた荷物が安定せず歩きにくい。誰もがそのような経験はあると思います。
そこで覚えておくと便利なのが、買い物袋の正しい持ち方です。
ポイントになるのは、手にしている荷物が「重いとき」と「軽いとき」では、楽な持ち方が違うということです。
●荷物が「重いとき」の持ち方
重い買い物袋を持つときは、指の付け根の関節のところで、袋の持ち手を支えてしっかりと握ることで、疲れにくくなります。
指先で袋の持ち手をひっかけて持とうとしたり、関節のない曲がらない部分で持つと、手が疲れやすいので注意しましょう。
また重要なのが、手のひらの向きです。手のひら側を体のほうに向けると、肩甲骨の動きが制限されて疲れやすくなります。
手のひらは、前に向けましょう。腕が外側にひねられることで脇がしまって肩甲骨が下がり、腕が動かず安定しやすくなるのです。
また、荷物の重さを肩甲骨で支えることができるので、腕の負担も軽減されやすくなります。
●荷物が「軽いとき」の持ち方
おすすめは、薬指と中指の2本の指で持つ方法です。
腕を内側や外側にねじるとき、その中心軸になるのは中指と薬指です。そのため、この2本の指で持つと、腕の動きが自由になりやすいのです。
袋の持ち手は指の付け根の関節で握ります。指は手のひらに軽く触れる程度で。
この持ち方なら、袋が揺れたり、持ち手の部分がくるくる回ったりしても、柔軟に対応できます。そのため、負担が楽になりやすいのです。
楽に買い物袋が持って歩けるようになれば、スーパーへの往復もエクササイズ替わりになります。普段は車を使って行くお店にもウォーキング感覚で行ければ、CO2を排出する機会も減って環境にも優しいですね。
監修
木寺英史先生
なみあし身体研究所代表、動作学研究家
制作協力
からだにいいこと
創刊20周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。
【出典・参考文献】
『腰痛、ひざ痛、足首痛、外反母趾…痛くない!疲れない! 歩き方の教科書』
(朝日新聞出版)