歩行を助けるのに役立つ杖ですが、その種類は多種多様。自分にぴったりの杖を選ぶためのポイントを紹介します。
加齢によってちょうどいい長さも変わる
「杖」と聞いて多くの人がイメージするのがT字杖ではないでしょうか。シャフト(支柱)とグリップ(握り手部分)がT字の形をしているものです。もっともスタンダードな形で、基本的にどんな人でも使いこなしやすい杖です。
ふだんはそれほど歩行に不安がなく、長い距離を歩くときや疲れたときにだけ杖を使いたいという人は、折りたたみタイプが便利でしょう。
自分にあった杖を選ぶ際には、以下のポイント確認してください。
●長さ調節できるもの
「長さ調節が可能かどうか」はT字杖を選ぶ際に、必ずチェックしましょう。
加齢による姿勢の変化などで、適切な杖の長さも変わります。また、履いている靴のかかとの高さなどでも歩行姿勢は変わるので、靴に合わせて杖の長さも微調整できたほうが便利です。
支柱の長さ調節が簡単にできるタイプのものがおすすめです。
●体重を支えられる強度
強度(耐久性)に関しては、支柱がアルミ合金製やカーボンファイバー製のものを選んでおくと安心です。
安価な杖には、支柱がプラスチック製で、両端を持ってぐっと曲げると簡単にたわんでしまうものもあります。
転倒しそうになった時には全体重が杖にかかりるので、しっかりとした強度のものを選びましょう。
●先ゴムは摩耗したら交換する
杖を使用していて真っ先にすり減ってくるのは先ゴムの部分です。破損していないか、滑り止めのみぞがすり減っていないかなど、まめにチェックしましょう。
先ゴムにも様々な種類があります。たとえば「フレキシブルタイプ」は、サイドに切り込みが入っています。杖を斜めについても、先ゴム部分が適度に曲がって、しっかり接地してくれます。
あるいは、3点で支えるタイプもあります。使いやすさで選んでください。
自分にあった杖を選べば歩く楽しみを感じられ、気軽に外出できるようになります。歩く機会が増え、車に乗る機会が減ることで、 CO2排出量の削減にもつながります。
杖を選ぶ基本ポイントをおさえて、自分にぴったりの1本を見つけましょう。
監修
西野英行先生
理学療法士
制作協力
からだにいいこと
創刊20周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。
【出典・参考文献】
『100歳まで元気でいるための歩き方&杖の使い方』(翔泳社)