日々真剣に遊び、見たことのない独創的な動きで見る人に驚きを

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制作:楽天シニア

「楽天シニアリズムdeリフレッシュ(ヤマハ)定額プラン」で活躍している話題の先生にスポットライトを当て、講師になった背景や元気でいられる秘訣について伺いました。

ダンスで見つけた自分の表現方法

私がダンスに出会ったのは高校時代です。当時はダンスブームであり、テレビや雑誌でも頻繁に特集が組まれていました。その中で青春時代を過ごしていた私も、自然とダンスに興味が芽生えていきました。その頃は数あるダンスの中でも、特にヒップホップやロックダンスに興味を持ちました。 
 
私は興味を持ったダンスを学びたい一心で、高校にあったダンス部へ見学に行きました。しかし、いざ見学してみると、そこには自分がやりたいジャンルのダンスをしている人がいなかったため、結局入部は断念することになりました。それでもダンスへの熱は消えず、自分でダンススタジオを探して通うことになりました。こうして、私は本格的にダンスをはじめることとなったのです。 
 
私はスタジオに通いながら、日々ダンスの練習に励んでいました。そんなある日、ダンス番組で「アニメーションダンス」というジャンルに出会います。アニメーションダンスは、体の各関節を細かく動かし、まるでスローモーションやコマ送りのような独特な動きを見せるダンスです。その動きには不思議な魅力があり、私はすぐに夢中になりました。 
 
また、現在の私が専門とする「フィンガータット」の亜種にあたる指を使ったダンスも、この番組では紹介がされていました。この動き、表現方法は自分の好みだと思ったのをよく覚えています。その時は、ただ興味を持つだけで実際にのめり込むことはなかったのですが、今こうしてフィンガータットを本格的にやっていると思うと、感慨深いものがあります。 
 
こんなにも夢中になっていたダンスですが、高校卒業と同時に一時期離れることになります。その間はエンターテインメントの学校に通ったり、ロッククライミングに打ち込んだりと、どちらも全力で取り組んでいました。しかし、本気で向き合うあまり、「職業として成功しなくてはならない」という強いプレッシャーにさいなまれていたのです。その重圧に気づき、一度その思いから離れて、もっと肩の力を抜いて物事に向き合ってみたいと感じるようになっていました。 
 
そんな時期の中、懐かしみながらネットでダンス動画を見ていると、ふと目に入ったのがNARIさんのパフォーマンス動画でした。NARIさんは後に一緒のチームを共にする仲間であり、師にあたる人物です。その映像のパフォーマンスは、私が知っていたフィンガータットとは全く違い、驚きの連続でした。さらには指の動きだけで、パフォーマンスとして成立していることに目からウロコの思いでした。この時をきっかけに、私のダンス人生は再び動きはじめたのです。

ついに手にした世界大会の優勝 

NARIさんのパフォーマンスに出会い、フィンガータットに衝撃を受けた私は、さまざまなフィンガータットの動画を漁りながら、独学で練習をはじめました。もっと上達したい、もっと極めたい――そう思う気持ちはどんどん強くなっていきます。当時、日本でフィンガータットを教えている人はほとんどおらず、NARIさんくらいだったように思います。さらに調べていくと、驚いたことに彼は私の自宅からすぐ近所でレッスンをしていることがわかったのです。この偶然に驚きつつ連絡を取ることで、NARIさんからレッスンを受けられることになりました。 
 
レッスンを続けて幾日が過ぎたある時、スクールで発表会が開かれることになりました。発表会では、レッスンを受けている生徒それぞれに短いソロパートが与えられ、自身で考えた表現を披露する機会がありました。私も自ら考案した動きを披露したところ、NARIさんから「これまでにこんな考え・発想力を持つ生徒には出会ったことがない」と驚いてくださったのです。発表会を終えた後、NARIさんに誘われて2人でのチームを組み活動を始めました。その後、私たちの活動を見ていたパフォーマーZANGEさんに誘われ、3人で「XTRAP」を結成することになります。このチームは、今もなお続く私の活動の原点であり、大きな転機となったのです。 
 
XTRAPを組んで間もなく、NARIさんがアメリカで行われるフィンガータットの世界大会に出場することになりました。そのことを聞きつけ、私も世界トップクラスのパフォーマンスを間近で見てみたいと思い、観戦へ行くことに決めました。 
 
その大会でNARIさんは見事に優勝を果たします。私は出場者ではなく見学する立場でしたが、会場の熱気や世界大会の雰囲気を肌で感じることができました。また、フィンガータットというジャンルを作り出したパイオニアやトップレベルのパフォーマーたちと知り合うことができ、大変貴重な経験となりました。この経験を通じて、「指だけでもこんなに個性が表現できるのか」と新たな視点が開かれ、私はさらにフィンガータットにのめり込んでいきました。 
 
特に世界大会への出場や優勝を意識していたわけではありません。ですが、いつか自分も一つの大きなイベントとして、また表現の場として世界大会に出場してみたい――そんな思いが自然と芽生えていたのです。 
 
そして2015年、ついに私自身が世界大会に挑戦することになりました。しかし結果は準優勝。正直、悔しい思いが残る大会となりましたが、アイデアや発想の面で世界に通用することを実感し、しっかりと認めてもらえたという手応えを感じました。自分の表現が評価されたことは大きな自信となりましたが、やはり心にわだかまりが残りました。 
 
準優勝の後、翌年には実力を認められて審査員として世界大会に招かれる立場となりました。その頃には、個人の活動もXTRAPとしての活動も本格的にスタートし、多くの場で表現する機会を得ていました。しかしそれでも「やり残していることがある」という気持ちが消えなかったのです。そこで2018年、再び世界大会に出場することを決意。これまで培ったすべてを注ぎ込み、大会に臨みました。そしてついに、念願の優勝を果たしたのです。喜びがこみ上げると同時に、安堵に似た気持ちが湧き上がりました。 
 
フィンガータットを通じて、素晴らしい経験を積むことができました。これからも活動を広げ、その魅力をより多くの人に伝えていきたいと考えています。

見る人を驚かせるパフォーマンスを追求して

フィンガータットに対する私のこだわりは、「今までに見たことのない動き」を生み出すことです。自分の動きがどう見えるのか、なぜそう見えるのかを徹底的に分析し、ただの模倣ではなく、自分だけのオリジナルスタイルを作り上げてきました。 
 
私は幼少期から、何かを組み合わせて新しいものを生み出すことが好きでした。その好奇心は今も変わりません。フィンガータットでもさまざまな素材や要素を組み合わせ、新しいパターンを生み出すことに楽しさを感じています。 
 
特に意識しているのは「不思議な質感」を表現することです。単に「かっこよく」見せるだけでなく、見る人を驚かせ、不思議な感覚に引き込むことを目指しています。音楽と動きが融合し、まるで音が見えるかのような体験を作り出すことが私の理想です。 
 
フィンガータットは、私にとって「実験と創造の場」です。パフォーマンスでは、さまざまな伏線を張り、予想外の展開を生み出すよう構成しています。見ている人だけでなく、私自身でも「あっ!」と驚ける瞬間に出会えることを期待しながら、日々「真剣に遊ぶ」気持ちで創作活動を続けています。

RYOGA先生のとある一日

例えば、クリエイティブな作業が多い日でも、習慣として朝晩のストレッチやエクササイズをしっかり行い、心身のバランスを整えることを意識しています。

8:30~9:00 起床、エクササイズ 
スクワットをしたり、ブリッジや倒立を取り入れた、エクササイズで体を目覚めさせます。 
 
9:00~10:00 愛犬と散歩 
愛犬のラブラドールとお散歩。この日課が私のストレス解消の秘訣です。 
 
10:00~12:00 SNSや動画コンテンツの企画 
各メディアに投稿する企画を立てます。いろいろな角度からアイデアを出していきます。 
 
12:00~13:00 昼食 
集中する時間が長いので、糖分を欲することが多いです。食べ過ぎない範囲で甘いものを取り入れます。 
 
13:00~18:00 撮影や動画編集作業 
午前中に出したアイデアを、形にしていく作業です。納得がいくまで、何度もやり直すことも。 
 
18:00~23:00 チームメンバーと打ち合わせ&練習 
今後のスケジュールの確認、演目などの打ち合わせ。チーム練習は細かい動きまで妥協せずに行います。これがクオリティに直結するのです。 
 
23:00~24:00 エクササイズ、就寝 
入眠前にストレッチ。軽い運動を行うことで、安眠そして朝の目覚めにも影響します。

自分の体を理解し、健康を手に入れよう

私は日々、ストレッチを継続して行なっています。しかし、それでも肩こり体質で、肩の重さや痛みが気になることがあります。柔軟性があるからといって必ずしも肩の不調がないわけではないのだと感じていました。 
 
それに気づいてから、もっと自分の体の特徴を知る必要があると感じ、体の動きや負担がかかりやすい箇所を丁寧に見直しはじめました。少しずつ自分の体の仕組みがわかり、どの動作が肩に負担をかけているのか、普段あまり使えていない部位がどこかも見極められるようになってきました。さらに、日常的に姿勢を意識することで、肩だけでなく全体的なコンディションが改善されているのも実感しています。肩に限らず、体に不調を抱えている方は、いまいちど自分の体を見つめ直してみましょう。どの部分に負担がかかっているかを理解しながら、少しずつ改善を心がけていくことが大切です。

フィンガータットで笑顔と健康を

フィンガータットは日本ではまだあまり知られていない文化です。日頃より私は、その楽しさや奥深さをもっと多くの人に伝えたいと考えていました。そんな折、私のパフォーマンスを見たヤマハさんからオファーをいただいたことが、この「タット de リズム」の始まりです。 
 
ヤマハさんは「シニア世代の方々にも楽しんでもらいながら、かっこいいを体験してもらいたい」と考えていました。私自身もそのコンセプトに共感してプロジェクトに参加することとなりました。 
 
最近のシニア世代は非常に若々しく、柔軟な考えを持つ方が多いです。スマホやインターネットの普及率を見ても、それは明らかです。昨今のシニア層は若者が「かっこいい」と感じるものにも積極的に興味を持ち、自分たちも挑戦してみたいという気持ちが強いです。そんな方々にフィンガータットを取り入れ、楽しみながら健康にも役立ててもらえたらと考えています。 
 
フィンガータットは、一見すると簡単そうに見えます。しかし、実際にやってみると、これが意外に難しいのです。改めて、指と脳は直結しているのだと実感できるはずです。 
 
プログラムには、無理なく楽しみながら続けられる工夫をたくさん散りばめています。例えば、童謡や歌謡曲など、誰もが馴染みのある曲を使用することで親しみやすさを感じ、飽きがこないよう工夫しています。また、歌詞と手の動きに意味を持たせることで、手話をやっているかのような感覚も楽しめるはずです。これらは理学療法士と綿密に相談し、健康面に最適化された設計になっています。 
 
このプログラムを通じて、フィンガータットの文化を広め、シニア世代にも新しいエクササイズとして楽しんでもらうことが私の目標です。これからも挑戦を続け、フィンガータットを通じて笑顔と健康を届けていきたいと考えています。

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制作協力

  • タット de リズム RYOGA先生

    楽天シニアリズムdeリフレッシュ(ヤマハ)講師

    フィンガータット世界チャンピオン。パフォーマンスグループXTRAPのメンバー。現在、日本最高峰のフィンガータットダンサーとして世界のフィンガーダンスプレイヤー達と交流し、さらにスキルを進化させている。情報番組やテレビCM出演などで活躍中⁨⁩。

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