下肢静脈瘤について
病気の概要
下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)は脚の血管の病気です。下肢とは脚のことで、静脈瘤は血管(静脈)がコブ(瘤)のようにふくらんだ状態のことをいいます。
症状 のほとんどがふくらはぎにおこります。脚に血液がたまることによっておこるので、午後から夕方に症状が強くなるのが特徴です。
この病気は急に悪化したり命の危険は ありません。しかし、脚のだるさや、むくみなどの症状、皮膚(ひふ)の病気が慢性的におこり生活の質(QOL)を低下させることがあります。
動脈と静脈
血管には、血液を心臓から身体のすみずみまで運ぶ“動脈”と、心臓に血液を戻す“静脈”があり、足に流れてきた血液を心臓に戻す血管を“下肢静脈”といいます。
下肢静脈のはたらき 逆流を防ぐ“弁”
二足歩行の人間は、足に流れてきた血液を、足の筋肉がポンプの役割を果たし重力に逆らって心臓まで戻しています。しかしこれだけでは筋肉が緩んだときに血液は重力により逆流してしまいます。そのため、逆流を防ぐために下肢静脈には逆流防止の“弁”がついています。
“弁”が破壊されることで下肢静脈瘤になります
妊娠や出産、長時間の立ち仕事などで、長期間にわたりこの弁に負担がかかると、弁が壊れてしまい、慢性的な血液の逆流が起きてしまいます。その結果、血液が心臓に戻らず下肢の血管の中にたまってしまい、血管がふくれて瘤(こぶ)のようになってしまいます。
なりやすい人
・女性(男性も最近は多い)
・立ち仕事が多い方
・妊娠 ・加齢(60代~80代)
・遺伝性
治療方法
下肢静脈瘤にはレーザー治療が効果的です。局所麻酔での治療の為、すぐに立ち上がり歩行することが出来、治療後1〜2時間後には帰宅することができます。
監修
長江恒幸
医師
第二川崎幸クリニック 下肢静脈瘤センター(血管外科)