漢方で冷えは、体質によって原因が異なると考えられています。薬効が期待できる身近な漢方食材を使った「冷えとりホットドリンク」で、冷え体質にアプローチ。体の芯から温まるドリンクをつくってみませんか。
自分の体質にあった漢方食材で温める
温かい飲み物は、それだけで冷えの予防や改善に効果的です。4つの冷えタイプと、その体に合った冷え取りホットドリンクのつくり方をご紹介していきます。
○下半身が冷える人
代謝が悪く、水分が体の外にうまく排出されにくいことで冷えにつながります。腎臓の機能をサポートする黒豆を使った「黒豆茶」が、下半身に溜まった水分の排出に役立ちます。
つくり方は、大さじ1ほどの黒豆を鍋に入れて乾煎りしてから、300ccの水を加えます。煮立ったら弱火にし、20分煮たら完成。黒豆もそのまま食べられます。
○手足など体の末端が冷える人
血液の不足が原因になりがち。足りない血液を補うように働く、黒ごまを使った「黒ごま茶」で改善しましょう。
つくり方は、鍋に大さじ1のすり黒ごま、大さじ1と1/2の黒砂糖、水300ccを入れて温め、仕上げに水で溶いた片栗粉を入れて。片栗粉のとろみで温かさが長続きします。
○全身が冷える人
体を動かすエネルギーが不足している傾向が。血行促進に役立つ、しょうがと黒糖、この2つの食材で温め効果が倍増する「しょうが黒糖茶」がおすすめです。
つくり方は、1/2片ほどのしょうがを千切りにして鍋に入れ、大さじ1/2の黒砂糖と300ccの水を加えて火にかけます。沸騰したら弱火にし、10分ほど煮たら器に入れて飲みましょう。風邪の予防にも効果的なドリンクです。
○冷えのぼせの人は
上半身は血がのぼってほてり、下半身は血がまわらず冷えるのが「冷えのぼせ」。血の巡りが悪い体質です。体のほてりを取るゆずと、血の巡りをよくして温める甘酒を組み合わせた「ゆず甘酒」を試してください。
つくり方は、ちぎった酒粕40gを鍋に入れて、水300ccで溶きます。ひと煮立ちする手前で火を止めたら器に移して。仕上げに、はちみつとゆずを適量加えたら完成です。市販の甘酒を使って作ってもOK。
自分の冷えタイプに合ったホットドリンクを飲むことで、暖房の設定温度を上げなくても体を温めることができます。キッチンに冷え取り漢方食材を常備してはいかがでしょうか。
監修
杏仁(きょうにん)美友先生
一般社団法人薬膳コンシェルジュ協会 代表理事/ 漢方&薬膳アドバイザー、国際中医師、中医薬膳師
制作協力
からだにいいこと
創刊19周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。