暑くて寝苦しい夜は、冷房で部屋を冷やすだけでなく、自分の体を涼しくすると気持ちよく眠れるように。体から熱を逃がし、安眠できるコツをご紹介します。
入浴や体操で体の熱を逃がす
睡眠に入る時、人の体は手足などから熱を出し、体温を下げます。これにより脳がクールダウンして眠くなるのです。熱帯夜に寝つけないのは、暑くて不快というだけでなく、熱の放出がうまくいかないため。そこで体を冷やしたり、体から熱を逃がす方法を取り入れましょう。
まず体を冷やすには、首・脇・太もものつけ根など、大きな血管の通っている部位に保冷剤などを当てるのが効果的です。頭を冷やすのも、脳のクールダウンに働きます。
ただし冷やし過ぎると逆効果なので、心地良く感じる程度に。
また寝る前の入浴も、体の熱を下げるポイントです。お風呂に入ると体が温まるのに?と思いますが、実は入浴で血流をよくすると、その後、体の熱が表面から逃げやすくなるのです。
コツは、ぬるめの38~40℃のお湯で、15~20分ほどゆっくり温まること。熱いお湯は脳を興奮させるので避けてください。
また、入浴のタイミングは寝る1~2時間に。すると寝る時間にちょうどよく体の熱が放出されて、心地よく眠れるように。寝る直前の入浴だと、入眠時に熱を放出できないので注意して。
さらに寝床では、手先から熱を出す手助けになる「グーパー体操」を行いましょう。
〈「グーパー体操」のやり方〉
1)布団に仰向けに寝て、全身の力を抜き、手のひらを上にします。
2)肩にギュッと力を入れて、ゆるめます。これを5回ほどくり返します。
3)両手を5秒間、ギュッと握りしめたら、一気に力を抜いてリラックスします。これを3回ほどくり返します。
冷房で部屋の温度を適切に保つことは必要ですが、体から熱を出すコツを使えば、冷房の温度を下げすぎずによい睡眠を得られ、節電にもつながります。熱帯夜にぜひ試してみてください。
監修
坪田 聡先生
睡眠専門医、雨晴クリニック副院長
制作協力
からだにいいこと
創刊19周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。
【参考文献】
・e-ヘルスネット「眠りのメカニズム」/厚生労働省
・「健康づくりのための睡眠指針2014」/厚生労働省健康局