必要以上に食べ過ぎてしまう「ムダ食い」は、体によくないことばかり。ムダ食いを防ぐために、知っておきたい食べ方のルールがあります。
栄養不足がムダ食いのもと
太りたくないとカロリーは気にするけれど、必要な栄養が摂れているかは気にしていない人は多いものです。栄養が十分でない食事では、食べる量を減らしてもむしろ逆効果になることも。
また、栄養が充分なら体は満足し、必要以上に食欲がわかないようになっていきます。つい食べ過ぎるのは、栄養が足りないという体からのサイン。ムダ食いを止めるには、「食べ物をがまんする」ことより「必要な栄養をしっかり摂る」ことが大切です。
〈食べ過ぎないための2つのルール〉
【食べ方のルール1】 7種類の栄養素をしっかり摂る
ムダ食いが起きないように摂っておきたい栄養は、三大栄養素であるたんぱく質、脂質、糖質に加え、食物繊維、ビタミン、ミネラル、抗酸化食品の7種類です。
①タンパク質
肉、魚、卵、大豆食品などに多い栄養素。不足しがちなので、1日3食、毎食で摂りましょう。肉や魚は、1食で手のひらの大きさが目安です。
②脂質
脂質で摂りたいのは「オメガ3系脂肪酸」と呼ばれる油です。油の種類では「EPA」「DHA」などの魚油、「アマニ油」「エゴマ油」です。
③糖質
ごはんなどの主食や、甘い物に含まれるのが糖質。必要量を摂れている人が多いですが、中にはダイエットのために極端に減らしている人も。体のエネルギー源として必要なので、まったく食べないのはNGです。
④食物繊維
食物繊維は、腸内細菌のバランスを保つために働いてくれます。根菜、きのこ、豆、いもなどに豊富なので、意識して摂りましょう。
⑤ビタミン
野菜や果物に豊富なビタミンは、種類によってさまざまな働きがあり、不足すると病気にも。食材によって含まれるビタミンが違うので、いろいろな食材を摂りましょう。
⑥ミネラル
体の発達や代謝のために必要です。カルシウム、鉄、亜鉛など様々で、いろいろな食品に含まれますが、海藻、乳製品、小魚、ナッツ類などを意識して摂って。
⑦抗酸化食品
老化をすすめる体内の「酸化」に対応する成分として、広く知られるようになりました。野菜、果物、お茶などに含まれています。
【食べ方のルール2】 よく噛んで食べる
よく噛んで食べると脳の満腹中枢が刺激され、食べ過ぎ防止につながります。消化しやすくなるので、胃の負担も軽くなります。食事をよく噛んで食べることを続けると、次第に腹8分目でも満足できるようになっていきます。
ムダ食いをする人は、過剰に食べ物を用意しがちです。余らせてしまうと食品ロスにもなります。食べ過ぎないための食べ方のルールを守れば、次第に適切な食事量がわかるように。体にも環境にもいい食習慣を身につけましょう
監修
左藤桂子先生
さとうヘルスクリニック院長、佐藤桂子ヘルスプロモーション研究所所長
創刊19周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。