体内に老廃物や脂肪を溜めにくくするには、肝機能を活発にすることがポイント。そこで今回は、薬膳や東洋医学において「肝」を元気にするといわれている野菜と酸味を組み合わせた「野菜すっぱレシピ」を紹介します。
緑の野菜×酸味で肝機能をサポート
薬膳では、緑色の野菜は解毒や代謝の機能を持つ「肝」の働きを高めると考えられています。肝機能が強化されれば解毒作用や代謝が高まり、老廃物や余分な脂肪を溜め込みにくい体になっていきます。
また、東洋医学における五臓(肝・心・脾・肺・腎)と五味(酸・苦・甘・辛・鹹(かん))は関係が深く、酸っぱい=肝にいいとされ、肝機能アップには酸味のあるものを適度に摂ることがオススメです。
栄養学的にも、柑橘類や梅干しに含まれるビタミンCやクエン酸には、肝臓を補う効果が期待されています。
そこで、肝機能をサポートする、緑の野菜と酸味をかけ合わせた「野菜すっぱレシピ」レシピをご紹介します。
① キャベツ×酢
アブラナ科のキャベツに含まれる苦味には、肝機能向上や解毒に必要な物質を肝臓に運ぶ働きがあるとされています。
また、酢に含まれる酢酸は、体内の脂肪やたんぱく質を効率よくエネルギーに変え、肝臓の負担を軽減していきます。
【キャベツのごまコールスロー】
〈材料〉2人分
キャベツ 2〜3枚(150g)
にんじん 20g
コーン缶 大さじ4
A —————————
ヨーグルト 大さじ2
酢、砂糖、すりごま 各大さじ1
塩、こしょう 各少々
〈作り方〉
1)キャベツは5㎜幅の細切りに、にんじんは千切りにする。塩少々(分量外)を振りかけて少し置き、軽くもむ。
2)ボウルにAを混ぜ、水気を絞った1、コーン缶を加えてよく混ぜ合わせる。
②ブロッコリー×柑橘類
ブロッコリーに含まれる、肝機能をサ
レモンやグレープフルーツなどの柑橘類に含まれるクエン酸やビタミンCが肝機能に作用し、解毒力を高めます。
【ブロッコリーとグレープフルーツのサラダ】
〈材料〉2人分
ブロッコリー 1/2株
グレープフルーツ 1/2個
A —————————
オリーブ油 大さじ1
砂糖 小さじ1
塩、こしょう 各少々
〈作り方〉
1)ブロッコリーは小房にわけて耐熱皿に並べラップをふんわりとかけ電子レンジ(600W)で3分加熱し粗熱をとる。グレープフルーツの実は、うす皮をむき小房を取り出す。
2)ボウルに1のグレープフルーツを入れて軽くフォークでつぶし、Aを加えてよくまぜる。ブロッコリーを加えて味をなじませる。
③菜の花×梅干し
菜の花の独特な苦味成分「イソチオシアーネ」は、肝の解毒力をアップするといわれています。
梅干しには、肝臓の代謝を助けるクエン酸がたっぷり。肝機能とともに消化機能にも作用し、体に不要なものを排出しやすくします。
【菜の花の梅和え】
〈材料〉2人分
菜の花 1束
A —————————
梅干し 大1個
めんつゆ 大さじ1
かつお節 1パック(2.5g)
1)菜の花はさっと熱湯で茹でて水気を切り、食べやすい長さに切る。
2)梅干しは種をとって果肉を刻む。ボウルにAを混ぜ1を加えて和える。
活用する食材を、地域になるべく近い産地のものを旬の時期に取り入れれば、生産・輸送・保存にかかるエネルギーを低く抑えられ環境保護にも役立ちます。
野菜と酸味を掛け合わせた「肝」をいたわるレシピで、肝臓をより元気に導きましょう。
監修
清水加奈子さん
フードコーディネーター、管理栄養士、国際中医薬膳師、国際中医師
制作協力
からだにいいこと
創刊19周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。