夏は青色がカギ 暑くても「眠れる寝室」のつくり方

夏は青色がカギ 暑くても「眠れる寝室」のつくり方

更新日:

寝苦しい熱帯夜でも、寝室にひと工夫すると入眠しやすく、睡眠の質もよくなることが期待できます。ポイントは「青色」の持つ性質を活用すること。青い寝具やパジャマを取り入れて、涼感とリラックス効果でぐっすりモードに。

寝室の色で睡眠時間が2時間も違う

寝るときの室温、照明の明るさ、つけっぱなしのテレビなど周囲の音。そうした寝室の環境は眠りの質に大きな影響を与えますが、実は「色」もまた、睡眠に大きくかかわっているのをご存じでしょうか。

イギリスの有名なホテルチェーン、トラベロッジ社が英国2000戸を対象に「寝室の色と睡眠の関係」を調査したことがあります。使われていた10色のうち、もっとも熟睡できたのは青色が配色された部屋で、平均睡眠時間は7時間52分。いちばん睡眠時間が短かった紫よりも2時間近く多く眠れたという結果が出ました。青色にはたかぶった気持ちを鎮め、心を落ち着かせる効果があるので、副交感神経が優位になってリラックス効果が働いたためと考えられます。

さらに夏は青色によるイメージ的な涼感アップも期待されるので、シーツや枕カバー、カーテンなどに青を取り入れることで、より眠りやすい寝室をつくることができます。

青色シーツの下にはひんやり感のある敷きマットを敷いたり、天然素材で吸放湿性の高い寝ござなどを使えば、体にこもった熱を逃がすことができて、さらに入眠がスムーズに。

寝室の色で睡眠時間が2時間も違う

また、安眠のためにはパジャマも重要です。

ワコール・オムロンヘルスケアの「パジャマと眠りに関する共同研究」で、寝る前パジャマに着替えた睡眠と、部屋着のまま寝た睡眠を比較実験しました。その結果、パジャマの方は中途覚醒が15%減り、寝つきの時間が9分短縮するという結果に。
パジャマへ着替えるという行動が「入眠儀式」となり、脳が無意識に「そろそろ寝るんだな」と感じて睡眠モードに切り替わるためと考えられます。

そこでパジャマも、締めつけがないことや、通気性があり肌触りのよい天然素材などの着心地に加えて、カラーは青をチョイスすれば相乗効果でさらに眠りの質アップにつながるでしょう。

猛暑の盛りは熱中症を予防するために、夜もクーラーをつけざるを得ません。けれど青色のリラックス&清涼感を使えば、クーラーでの冷やしすぎを防ぎ、エコ設定の温度で対応できるように。省エネにつながり地球温暖化対策にも役立ちます。

監修

  • 坪田聡先生

    医師 医学博士 雨晴クリニック 副院長

制作協力

  • からだにいいこと

    創刊19周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。

【参考文献】
・「ぐっすり眠る秘訣は青いベッドルームで眠ること」/トラべロッジ社
・「パジャマと眠りに関する共同実験」/(株)ワコール・オムロンヘルスケア(株)

このページをシェアする
  • LINEでシェアする
  • facebookでシェアする
  • X(旧Twitter)でシェアする