同じ温度でも、湿度が高いほど体感温度が上がり、熱中症の危険も増します。暑さで体調を崩しやすい夏を元気に乗り切るためには、湿度対策が必須。日頃からのちょっとした工夫で熱中症を防ぎましょう。
室内でも熱中症対策を欠かさずに
高温多湿な夏は、体調を崩しやすい季節ですが、身近に起こりやすく危ないのが熱中症です。
熱中症は周りの温度に体が対応しきれず、体内の水分や塩分のバランスが崩れて体温の調節機能がうまく働かなくなるなどの原因で起こる病気です。
熱中症による死亡者は、日中の最高気温が30℃を越えるあたりから増え始めて、気温が高くなるに従って死亡率が急上昇していきます。
体感温度は気温、湿度、風速、放射熱、気流などさまざまなものに影響を受けますが、なかでも重要なのが湿度です。
人体は暑くなると、汗をかいて蒸発するときの気化熱で体の熱を奪うなどして、体温を下げる仕組みになっています。しかし湿度が高いと汗が蒸発しにくく、体内に熱がこもりやすくなります。そのため、同じ温度でも湿度が高い方が熱中症の危険も高まるのです。
環境省の熱中症予防情報サイトでは、湿度も加味して計算された「暑さ指数(WBGT)」が確認できます。
これは気温が1、湿度が7、輻射熱が2の割合で算出されたもの。たとえば同じ気温30℃でも、湿度が50%だとWBGTは「警戒レベル」ですが、70%の場合は「厳重警戒レベル」となっています。
暑くなってきたら室温だけでなく、湿度も一緒にチェックしましょう。そして湿度が高い場合はまず窓を開けて換気し、風通しをよくします。
その際に扇風機やサーキュレータを開けた窓に向けて風を送ると、室内の湿った空気を素早く放出できます。エアコンの除湿機能や除湿器も活用しましょう。
また、服装は麻や綿など天然の素材を使った風通しのいいデザインの服で過ごし、こまめに水分を補給して。屋外では、携帯用のミニ扇風機で風をつくるのも効果的です。
湿度対策をしっかりすることで、暑さ疲れもしにくくなります。ただ冷房で冷やすだけでなく上手に湿度コントロールをして、環境にもやさしい体調管理を目指しましょう。
監修
岡田みはるさん
気象予報士
制作協力
からだにいいこと
創刊19周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。