「体重を測るだけ」で食欲コントロールを

「体重を測るだけ」で食欲コントロールを

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おいしそうなモノを見るとつい食べてしまう…。そんな人は、まず「体重を測ること」を習慣づけましょう。毎日の体重をグラフ化することで、食欲をコントロールしやすくなっていきます。

体重グラフの形で気持ちがよくなる!

「甘い物は別腹」と言いますが、実はコレ、本当のこと。目の前にケーキがあると、満腹でも胃にスペースができます。これは大脳が胃に司令を出すためで、人間特有の現象なのだそう。

野生動物は体内のホルモンなどで食欲をコントロールしており、空腹になってから食べます。
しかし、人間は大脳の記憶や情動など精神機能を営む部分が発達しているため、動物とは違う“食欲”があります。「食べたい」「もったいない」「イライラする」といった気分で、食欲が誘発されるのです。
こうした脳のマイナス面を解消するのに役立つのが、朝夕2回ずつ体重を側ってグラフに記録する「グラフ化体重日記」です。実践した大学病院の患者が、その効果を実感しているという方法です。

これは、脳が「気持ちいい」と感じる仕組みを応用したもの。
やり方は、まず体重計に乗ることで今の体重を脳に認知させます。すると現在の生活リズムを意識するようになり、自然と生活を見直すようになっていくのだそう。

グラフをつけていき、体重が正常に増減して規則正しい三角形になると、それを「気持ちいい」と感じるようになります。
すると整った三角形を維持するため、無意識に食事をコントロールしたり、運動量を増やしたりする行動をとるように。
次第にコントロールすることが快感になり、さらに生活リズムが整い、食欲を抑えられるという好循環が生まれてくるというのです。

体重グラフの形で気持ちがよくなる!

〈グラフ化体重日記のつくり方〉
記録する紙は1週間ごとにまとめ、一番上の段に、日曜から土曜までの日付を入れます。
縦軸に入れる体重は、大きな目盛りを1kgとして記入していきます。
朝は起床直後と食後、夜は食後と就寝前と、朝夕、各2回ずつ体重を測ります。1日の中で、1〜2kgの変動は自然なことと認識しましょう。

グラフ化体重日記は下のグラフ※を参照してください。

体重グラフの形で気持ちがよくなる!

※大分医科大学 坂田利家名誉教授考案


〈グラフ化体重日記をつける3つのコツ〉
① 体内時計を整えるためにも、1日3回の食事をしっかり摂りましょう。朝食を食べない人は、ジュースでもよいので、何かしらお腹に入れること。生活リズムの改善にも役立ちます。

② 体重を測ったら、すぐにグラフをつけます。折れ線をひくことで、視覚的に増減を意識しやすくなります。その際、明るい色のペンを使い、楽しい気持ちで記録するとやる気のアップにつながります。

③ 最初の1カ月は、体重に変化がなくても気にせず、グラフの記録に慣れましょう。1日の体重の波形が正三角形になれば第1段階はOK。続けるうちに、グラフが右下がりになっていきます。

グラフ化体重日記を続ければ、自然と食欲をコントロールしやすくなっていきます。
自分の適切な食事量も把握できるようになるため、食べ残しがなくなり環境負荷の軽減にもつながります。
脳を気持ちよくさせて、ムダな食欲を防ぎましょう。

監修

  • 加隈(かくま)哲也先生

    大分大学医学部看護学科 基盤看護学 健康科学領域 教授

制作協力

  • からだにいいこと

    創刊19周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。

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