「何だかお腹がすいて、たくさん食べてしまう」「口さびしくて、何かつまんでしまう」……。それは「ニセ食欲」によるものかもしれません。これを防ぐ食べ方をご紹介します。
お腹が空いていなくても食べてしまう理由
本来は空腹ではないのにお腹がすいてしまう「ニセ食欲」。その原因は、体内のバランスの乱れにあるといいます。
脳にある〝摂食中枢〟からは「空腹だから食べなさい」と指令が出て、〝満腹中枢〟からは「満腹だから食べるのをやめなさい」という指令が出ています。
このバランスが乱れてしまうと、ニセ食欲の発生につながるのだそう。
そこでニセ食欲を防ぐための、食べ方のコツをご紹介します。
① よく噛む
私たちの体は「レプチン」というホルモンにより、満腹を感じるしくみがあります。このホルモンの働きで、お腹が満たされてきたと感じるには、食べはじめてから約20分はかかるとされます。そのため早食いすると「もう食べなくていい」と感じる前に食べ過ぎてしまうことに。食べ物を口に入れたらよく噛んで、食欲が落ち着いてくるのを待ちましょう。
② 塩辛いもの、スパイシーなものはひかえめに
空腹になると、食欲がわくホルモンが分泌されます。しかし、お腹が空いていなくても、このホルモンが出やすくなることが。
スパイシーなものや、塩辛いものは、この食欲を増すホルモンを出やすくするとされています。ニセ食欲につながるので、ひかえめにしましょう。
③ 野菜から食べる
体内の乱れを整えるには、食事による血糖値のアップダウンをゆるやかにするのがよいとされます。野菜に豊富な食物繊維には、糖の吸収を抑え、血糖値の急上昇を防ぐ働きがあります。食事をするときは、野菜から食べ始めるよう心がけてください。
また体の乱れを整えるには、十分な睡眠、運動習慣によって、人間本来の生活リズムに戻すことも大事です。
ニセ食欲がなくなれば、ムダ食いも減っていきます。適切な食事量を用意することができるため、食事を食べ残さなくなり食品ロスの削減にも役立ちます。
食べ方と生活習慣を見直して、ニセ食欲を遠ざけましょう
監修
片山隆司先生
医療法人社団 慈翔会 かたやま内科クリニック 院長
制作協力
からだにいいこと
創刊19周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。