普段の食事でムダに食べ過ぎてしまう————そんな人は、味覚がきちんと働いていないのかもしれません。そこで今回は、少量でも満足感を得られる「食べ過ぎない舌」になるための秘訣をご紹介します
味覚をリセットして食欲を上手にコントロール
1回の食事の満足度が高ければ、ふだんの食事でムダに食べすぎることはありません。
味覚に偏りがあり、濃い味を好む人は、食事に満足感を得にくい「食べ過ぎる舌」になっている可能性があります。
「食べ過ぎない舌」になるには、味覚を正常に保つこと。それには、味の組み合わせに気をつけたり、薄味を意識したりすることが大切です。
基本の「5味」は2つのグループに分けられます。
●刺激系グループ…塩味、酸味
●中和系グループ…甘み、苦味、旨味
〈食べ過ぎる組み合わせ〉
刺激系グループと中和系グループは、一緒に摂ると食欲が刺激されてしまう組み合わせです。食べるほどに食欲が増し、食べることがやめられない魔のループに陥ってしまいます。
NG例
×とんかつ(塩味)+ソース(甘味)
×カレー(塩味)+コーラ(甘味)
×チョコレート(甘味)+ポテトチップス(塩味)
〈食べ過ぎない組み合わせ〉
刺激系同士、中和系同士と同じグループの味を食べると、脳が飽きて食欲が満たされやすく、過食の予防につながります。
少量で満足するためには「塩味」×「酸味」や、「甘味」×「苦み」のように同じグループの味を組み合わせましょう。
OK例
◎とんかつ(塩味)+ポン酢(酸味)
◎カレー(塩味)+チーズ(酸味・塩味)
◎チョコレート(甘味)+ブラックコーヒー(苦味)
また、味覚は、「薄味の食事を意識する」ことで敏感になっていきます。味を感じ取る舌の細胞が生まれ変わるのは10日〜2週間が目安。この間、薄味を意識して過ごすことで味覚リセットし「食べ過ぎない舌」に近づけます。
薄味でもおいしさを感じる食事にするには、いきなり調味料を加えず、まず素材の味をしっかり味わってから少しずつ味を足していくことが大切。煮干しや昆布などのだしの旨味を活用すれば、薄味でもおいしく食べられ適量で満足できるようになっていきます。
また、家族や友人と一緒に食事をする時は、味についてコメントし合うのもおすすめ。人のコメントを聞いて自分の舌が「食べ過ぎる舌」になっていないか確認しましょう。
「食べ過ぎない舌」になれば、ムダ食いが減り適切な食事量がわかるようになります。必要以上に食事を用意して食べ残すこともなくなるため、食品ロスの削減にもつながります。
毎日の食事の食べ方を見直して、あなたも「食べ過ぎない舌」を手に入れましょう。
監修
金(きむ)成姫(そんひ)さん
激辛料理専門家
鈴木隆一先生
AISSY株式会社 代表取締役社長 /慶應義塾大学 特任講師
制作協力
からだにいいこと
創刊19周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。