ついつい食べ過ぎてしまうのは、味覚が原因の可能性があります。ケーキなどの甘いものやハンバーガーなどの濃い味は、食べるほど欲しくなるもの。味覚を整えて、食べ過ぎを防ぎましょう。
太らない食べ物を好む嗜好に変える
そもそも食べ過ぎてしまうのは、おいしいものに快感を覚え、もっと食べたくなるからです。
「ならば美味しく感じるものを太らない食べ物に変えたらいいのでは?」という考えから生まれたのが「味覚チェンジ」です。
脳がおいしいと感じやすい味には、大きく分けて2種類あります。ひとつは、油や糖分の多いもの。たとえば、ケーキや揚げ物などです。
もうひとつは、和食などの旨味。煮干しや貝類からの出汁などが代表的です。
過食の人は、油や糖分の多い食べ物を好む傾向があるのだそう。
味つけが濃い高カロリーの食べ物は、脳が興奮して食べれば食べるほど欲しくなるのが特徴です。
一方、素材の旨味が感じられる食べ物は、気持ちを落ち着かせ、深い充足感が得られるので、食べ過ぎを防ぐことができるとされます。
そこで、油・糖分系の好みを、旨味系に変えるのが「味覚チェンジ」です。
やり方は、毎食後に旨味のあるものを最後に食べるのがルール。食事を、出汁の効いたみそ汁やお吸い物などの汁物でしめるといった食べ方です。
脳が満足して、次第に「お腹いっぱいなのにもっと食べたい」と思わなくなっていきます。
毎食みそ汁を飲むのが難しければ、食後に昆布茶を飲んでもOK。昆布茶は乾燥昆布を細かく刻んだものや粉末状など、いろいろな種類があります。なるべく昆布以外の、砂糖や化学調味料などが入っていない製品を選んでください。
味覚は早い人で2〜3日、多くの人が1〜2週間で変わるといいます。
食べ過ぎを予防して、適量で満足できる食生活にシフトすることは、食品の無駄を防ぐことにもつながります。深い充足感が得られる食べ方を試してみてはいかがでしょうか。
監修
石川善樹先生
予防医学研究者 公益財団法人Wellbeing for Planet Earth代表理事
制作協力
からだにいいこと
創刊19周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。