正しいのはどっち?疲れにいい1日の過ごし方

正しいのはどっち?疲れにいい1日の過ごし方

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食べたり、飲んだり、寝たりと、体の疲労回復のためにしていること、ありますか?実はその方法、誤解している人が意外と多いのだとか。専門医に、疲れをラクにする“正しい新常識”聞きました。

体の疲れを放っておくと老化が加速!

歳を重ねるにつれ、若いころとは違ってちょっと動いただけですぐ疲れる、しかも慢性的に疲労が抜けないということ、ありますよね。

疲労を感じる体は、活性酸素により体内の細胞がサビついている状態です。その時に誘発される「疲労物質FF」が血中に増え、それを抑制する「疲労回復物質FR」が疲れを癒すことが科学的に分かっています。加齢とともに、この二つの物質にも変化が起こります。

加齢により「疲労物質FF」が増え、一方で修復してくれるはずの「疲労回復物質FR」
」は量が減ってしまいます。俊敏さがなくなり、反応も低下。どんどん疲労が蓄積して慢性的に体が重くなってしまいます。

それらを解消するため、多くの人が取り入れている疲労回復法も実は間違いだらけなのだそう。例えば、疲れたときに手が伸びる栄養ドリンクは、飲んでも一時的に疲労感が消えるだけで、疲労の根本は解消できません。スタミナをつけようと思ってお肉を食べても、胃や肝臓などで活性酸素が増えて、内臓からくる疲労につながってしまいます。

歳のせいとあきらめずに、正しい回復法を実践して、疲れからくる老化を阻止しましょう。

専門医が教える正しい疲労回復テク

正しい?正しくない?疲労回復のためと思って行なっていることが間違っていないか、○×でお答えください。


1 疲れた時は甘いものを食べると良い
答え:×
「疲れると欲しくなる」という人が多いスイーツですが、疲労の根本は解決しません。ただ、疲労を感じるとイライラするので、血糖値を上げてそれを抑えるメリットはあります。上がった血糖値が急激に下がると今度は気分が落ち込んでしまうので、食べすぎに注意しましょう。

2 休日は、1日横になったまま過ごすと良い
答え:○
体を休ませるにはゴロゴロしてOKです。エアコンの温度を時々変える、窓を開けたり、換気扇をつけたりして風を入れるなど、環境に変化を与えて快適に過ごすことでより疲れが癒されます。

3 疲れた日は栄養を摂るためにいつもよりたくさん食べる
答え:×
「食べなきゃ」と思うのは、食料不足の時代に備わった防御本能にすぎません。今は、十分エネルギーが足りている人がほとんど。栄養を摂ったつもりでも、食べ過ぎれば消化に負担がかかり、内臓に活性酸素が増加してさらに疲労が蓄積します。

4 栄養ドリンクを飲んで乗り切る
答え:×
パワーが出てがんばれる気がしますが、一時的なものです。栄養ドリンクに含まれるタウリンには、根本的な疲労回復効果は証明されていません。カフェインで眠気が覚めて、アルコールで気分が高揚するため、「疲労」には効きませんが「疲労感」をとるには有効です。

5 お酒を飲んで、楽しく疲労回復をする
答え:×
アルコールは肝臓や脳の細胞にダメージを与えます。栄養ドリンク同様、「疲労感」を解消して「疲労」をごまかしているだけです。ただし、お酒でリラックス効果を感じる人は、副交感神経が優位になり、その結果疲れにくくしてくれるという効果はあるでしょう。

6 疲れていても、好きな用事なら予定を詰め込む
答え:×
「好きなことは疲れない」はウソです。眠っているときしか「疲労回復物質FR」は働かず、活動してる限り体のサビはとれません。疲れの自覚がある時は、睡眠を優先し、休むことに専念しましょう。

7 スタミナをつけるため、焼肉を食べる
答え:×
「疲労時にはスタミナを」は、人間の遺伝子に備わった意識で、体は必要としていないそう。むしろ、脂肪分の消化が負担となり内臓疲労につながります。お肉が食べたい時は、抗疲労成分「イミダペプチド」が発見された鶏肉を選びましょう。

何問正解できたでしょうか。疲れがひどい日は、なるべくゆっくり横になって過ごし、食べ過ぎ飲み過ぎにも注意することが大切です。

監修

  • 梶本修身さん

    医学博士/東京疲労・睡眠クリニック院長

制作協力

  • からだにいいこと

    創刊19周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。

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