食べる時間でリスクも変わる「時間栄養学」を知ろう

食べる時間でリスクも変わる「時間栄養学」を知ろう

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体内時計の仕組みをもとにして食事をとる時間などを研究する学問を“時間栄養学”といいます。近年これにより、人間には理想の食事時間があることが判明しました。本記事では“時間栄養学”を知ることで、肥満やメタボリックシンドロームなどの生活習慣病のリスクを減らすコツをご紹介します。

脂肪になる、ならないは「いつ食べるか」がカギ

人間は、食欲や睡眠、血圧、体温、ホルモン分泌など、体のすみずみまで“体内時計”によってコントロールされています。この仕組みをもとに、「何をどのタイミングでどう食べるべきか」を研究したのが”時間栄養学”です。これにより、人間には理想の食事時間があり、その時間を守るだけで、肥満やメタボリックシンドロームなどをはじめとした生活習慣病のリスクを減らす効果があることが判明したのです。

“時間栄養学”に基づいたスケジュールを実施すると、食べる時間を変えるだけで、身体が脂肪を溜め込みにくくなったり、効果的に代謝をアップさせることができるそう。大事なのは、朝起きてから12〜14時間以内に食べること。この食生活に変えるだけで、食事の量を変えなくても肥満やメタボリックシンドロームなどの生活習慣病のリスクを減らすことができると言われています。

その秘密は、食べたものを脂肪に変える「BMAL1」にあります。
体内時計をつかさどっている時計遺伝子には、脂肪合成を促進するたんぱく質「BMAL1」を増減させる働きがあります。これが、増えているときに食べると栄養素が脂肪になりにくくなります。そのため、「BMAL1」が減っている時間に食事をすることが、大切です。

「BMAL1」は、毎日12時間周期で増減をくり返し、14時に最も減り、夜10時以降に急増、深夜2時に最も多くなります。

“時間栄養学”スケジュール

食べる量を制限せずに脂肪減少を目指すには、起きてから12〜14時間以内に3食を済ませるのが鉄則です。朝7時に起きたらできるだけ19時までに、難しい場合には分食をして21時までに夕食を食べ終えると良いでしょう。くわしく例を見ていきましょう!

7:00 起床
8:00 朝起きてから2〜3時間以内にごはんをしっかり食べるかどうかで、その日の消費エネルギーは大きく変わってきます。しっかり食べることが1日の代謝のエンジンになるので、朝食は必ず食べましょう。

12:00 午前に活動してエネルギー代謝が上がっているころの昼食は、好きなものを食べてOKです。内臓にも1日のリズムがあり、胃は正午から14時が最も働く時間帯です。その意味でも昼食はその間に食べるのがベストです。
脂質の多いものを食べるならば、「BMAL1」が減ってきた12時ごろに食べるようにしましょう。

15:00 昼食の2〜3時間後は血糖値が下がっているのと同時に、15時は「BMAL1」が少ない時間です。だらだらと食べず、5分以内と時間を決めて食べると良いでしょう。

19:00 起床後12時間以内に、夕食をしっかり済ませておくのが、“時間栄養学”的に理想のスケジュール。12時間が難しければ14時間でもOKです。


食事の間は2〜3時間空けて血糖値がしっかり下がったタイミングで、空腹を感じてから食べましょう。お腹が空いていないのになんとなく食べてしまうと、余分なエネルギーが脂肪に変わってしまいます。

簡単に実践できる“時間栄養学”、いかがでしたか? ぜひ日常に取り入れて、上手に健康をコントロールし、リスク回避をしてください。

監修

  • 森由香子さん

    管理栄養士/日本抗加齢医学会指導士

制作協力

  • からだにいいこと

    創刊19周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。

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