健康のために毎日、目標を決めてウォーキングなどを行っていても、ときには達成できないことも。そんなときは日々の生活の中で運動量を増やしましょう。
まとめて歩かなくてもOK
病気を防ぐための運動として、ぜひ取り入れてほしいのが「1日8000歩、そのうち速歩きを20分」という歩き方です。
これは、65歳以上の5000人を対象に、20年以上かけて行われた、群馬県中之条での「中之条(なかのじょう)研究」によりわかったもの。
歩数だけでなく、速歩きによって中強度の運動効果をプラスするのがポイントです。
多くの自治体で健康法として取り入れられ、マスコミでも話題になっているので、すでに取り入れている方もいるかもしれません。
毎日続けることが大切なので、日々の生活の中で歩く時間を増やしていきましょう。
とはいえ、まとめて時間を取って8000歩、歩かなければいけないわけではありません。
1日の歩数が8000歩で、うち20分が速歩きならOK。
たとえば、こんなふうにして歩く場面を増やしてみてください。
●駐車するとき、店の入り口からいちばん遠いスペースに止める
●近所のコンビニにでかけるとき、1つ先の店まで足を延ばす
●最寄り駅までバスに乗るのをやめ、徒歩にする
●職場で内線やメールを使わず、相手のところまで歩いて伝えに行く
また「速歩き」をするときも、続けて20分でなく、細切れでOK。
たとえば買い物に行くとき、往復10分の道のうち、行きの5分だけ速歩きにするなど。荷物がない状態なら、速歩きも楽にできます。
歩数を増やす秘訣として、こんなふうに考えてください。
●いまより外出する回数を増やす
●いまより外出する時間を長くする
また、家の中でも歩行を増やしたり、動きの強度を高めることはできます。
●リモコンを使わずに、家電本体のスイッチを押す
●掃除は掃除機だけで終わらせず、雑巾がけなどの拭き掃除をプラス
●洗濯物を干すとき、カゴを床に置いて、足を曲げ伸ばししながら洗濯物を取り出す
こうして日常生活の中で歩行数を増やし、運動強度を上げていきましょう。
健康に良いことはもちろん、車など乗り物にのる機会が減ると、環境負荷の軽減にもつながります。
最初は少しめんどうに感じることも、習慣になると楽にできるので、まずは始めて続けていきましょう。
監修
青栁幸利先生
東京都健康長寿医療センター研究所運動科学研究室長
制作協力
からだにいいこと
創刊20周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。
【出典・参考文献】
・『図解でわかる! やってはいけないウォーキング』(SBクリエイティブ)
・「健康長寿を実現する至適身体活動パターンの解明:加速度計を用いた10年間の縦断研究」/地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター
・「Aoyagi & Shephard (2021)_Encyclopedia of Quality of Life and Well-Being Research」