健康のためにウォーキングを始めたけれど続かない…。こんな声をよく聞きます。ウォーキングを習慣にするためのコツをご紹介します。
「8000歩・速歩き20分」で病気を防ぐ
まず健康にいい歩き方として実践してほしいのが「1日8000歩、そのうち速歩きを20分」という方法。
これは、5000人を対象に20年以上かけて、群馬県中之条町で行われた「中之条(なかのじょう)研究」によるもの。
さまざまな歩数と強度を掛け合わせた中で「8000歩・速歩き20分」が、多くの病気を防ぐ効果が高いことがわかったのです。
「速歩き」とは、歩きながら息が上がってきたとき「なんとか会話できる程度」のスピードが目安です。
この歩行法は多くの自治体でも取り入れられているので、耳にしたことのある人も多いのでは。
しかし、病気を防ぐとわかっていても、続けられないという人も。
そこで毎日の習慣にするためのコツをご紹介します。
1)活動記録を「見える化」する
「8000歩・速歩き20分」をクリアしたら、カレンダーに丸をつけましょう。やったという感じがあると、もっと○を増やそうという気持ちがわいてきます。
2)仲間をつくる
家族や友人、知人を誘って一緒に行うと、刺激になります。ただしルールを厳しくし過ぎないこともポイント。速歩きはそれぞれペースが違うので、自分のペースを心がけて、強要しない・されない関係で続けましょう。
3)活動量計のバンザイマークを励みに
活動量計には、目標数値に達すると「バンザイマーク」を表示して励ましてくれるものがあります。これで毎日楽しくがんばれるという人も。
4)1週間トータルでできれば合格と考える
土日はできるけれど平日は難しいといった事情や、雨や雪、猛暑で外出を避けたい、といった条件もあります。そこで、1週間、あるいは1カ月トータルで達成できていればOKと楽に考えましょう。水曜日に雨が降って「4000歩・速歩き5分」だったら、週末は2000歩ずつ増やしてカバーする、といったぐあいです。
こうして歩くことが習慣になれば、健康効果だけでなく、車に乗る機会も減り、CO2削減など、環境の負荷も減らせてよいことばかり。
「8000歩・速歩き20分」の歩き方を、さっそく始めましょう。
監修
青栁幸利先生
東京都健康長寿医療センター研究所運動科学研究室長
制作協力
からだにいいこと
創刊20周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。
【出典・参考文献】
・『図解でわかる! やってはいけないウォーキング』(SBクリエイティブ)
・「健康長寿を実現する至適身体活動パターンの解明:加速度計を用いた10年間の縦断研究」/地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター
・「Aoyagi & Shephard (2021)_Encyclopedia of Quality of Life and Well-Being Research」