元気な足をつくるポイントの一つは、骨の足を丈夫にすること。そこでおすすめしたいのが“擬似肥満”になり、骨に重さを加える方法です。
重量や衝撃を加えると骨が丈夫に
行きたいところに自力で行くには、体重を支えられる力強い足の骨が備わっていなければなりません。ちょっと負荷がかかっただけで簡単に折れるようなもろい骨では、自由にあちこち行けないでしょう。
骨の強さを示のは「骨密度」です。しかし骨密度は、加齢により低下し、骨が弱くなっていきます。
とくに女性は、閉経後から骨密度の急激な減少が起きます。足の骨がもろくなると、骨折などで寝たきりにも。
足の骨の衰えを防ぐには、骨に衝撃力を与える運動が勧められています。
ウォーキングのように足の骨にジワリと力を加えるような運動ではなく、骨に瞬間的に大きな力を加えるような運動が効果的です。
衝撃力を加えなくても、骨を丈夫にする方法もあります。骨に重さを加えるのです。
肥満者は足の骨密度が高いという傾向があります。増加した体重が骨の負荷となり、骨密度を高めて丈夫にしているためと考えられます。
しかし、骨を丈夫にするために肥満になることを勧めるわけにはいきません。本当に肥満になるのではなくて“擬似肥満”になって、骨を丈夫にする方法をお勧めします。
足の骨を丈夫にするには、大きな重量を加えるか、骨に衝撃力を加えることが効果的といえます。衝撃を与えるには、ジャンプするのが手軽です。
〈“擬似肥満”で骨を丈夫にする〉
擬似肥満とは、体に重りをつけて擬似的に体重を増やす方法です。
例えばアンクルウェイトという重りを足首に巻きます。あるいは、本などを詰め込んで重くしたカバンなどを持ったり、背負ったりします。
こうすると体重にアンクルウェイトやカバンなどの重さが加算されるので、足の骨は空身のときよりも重い重量が加わります。
このように、骨に重い体重をかけるようにして生活すれば、骨密度が高くなり、足の骨が丈夫になっていくでしょう。
〈ジャンプで骨を丈夫にするやり方〉
1)足を肩幅に開いて立つ
2)腕を大きく振り込んで、できるだけ高くジャンプする
3)着地するときは、ひざを曲げて衝撃を弱めるようにする
4)適当な休みをはさんで、5回ジャンプを繰り返す。これを1日1〜3セット行う
衝撃力が大きすぎると足の関節を痛めることがあるので、着地するときに、ひざを曲げて衝撃を弱める動作は必ず行ってください。
足の骨が丈夫になれば、自力で行きたいところに自由に移動できるようになります。車で移動することが少なくなり、ガソリンや軽油を使う量も減るためエコにつながります。環境保護のためにも、足の骨を丈夫にする方法を積極的に取り入れましょう。
監修
湯浅景元先生
中京大学名誉教授
制作協力
からだにいいこと
創刊20周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。
【出典・参考文献】
・『病気をよせつけない足をつくる』(草思社)
・「埼玉理学療法」4:10-13,1996.