歩行中に太もものつけ根が痛くなるときの対策

歩行中に太もものつけ根が痛くなるときの対策

更新日:

ウォーキングで太もものつけ根が痛くなるというトラブルの対処法と、予防に役立つエクササイズをご紹介します。

股関節周りの筋肉が伸ばされて負担が

歩いていたら、太もものつけ根あたりが痛くなった、あるいは違和感をおぼえた。そんな経験はないでしょうか。

その原因のひとつが、背中の筋力の低下です。
姿勢を保つ働きを持つ背中の筋肉が弱くなると、体のバランスが崩れ、まっすぐに立つことができにくくなります。
すると体は、無意識のうちに太もものつけ根を前に出すことで、バランスを取って姿勢を保とうとして、腰がスライドします。妊婦さんのように、お腹と腰が前方に突き出してしまう姿勢を想像してください。
その結果、太ももや股関節あたりの筋肉と、骨との付着部が引き伸ばされます。伸びた状態で筋肉が硬くなることにより、痛みが出るのです。

では、太もものつけ根が痛くなりにくい歩き方をご紹介していきましょう。

●太もものつけ根が痛くなりにくい歩き方のポイント
歩くときは胸が斜め下に向くイメージを持つと、姿勢が整いやすくなります。
そしてひざを曲げた歩きで、上体をやや倒しながら、かかとから足裏全体を使います。歩行時に足の内側は浮かさないように注意しましょう。
足裏にかかる圧は、かかと外側から足裏外側を通り、親指から抜けるような感覚で。
また地面から足が離れる瞬間に足指を曲げて、地面を押すようにします。足指をすべて使う感覚を意識しましょう。

股関節周りの筋肉が伸ばされて負担が

こうした姿勢で歩くと、腰が正しい位置になりやすく、自然と姿勢も良くなっていきます。

なかなか感覚がつかめない人は「腰スライドエクササイズ」を試してみてください。太もものつけ根が痛くなりにくいよう、姿勢が改善されていきます。

●腰スライドエクササイズ
1)足を腰幅に開き、太もものつけ根をやや前に押し出して、つま先に重心をかけて立つ
2)少しずつ腰を後ろに引きながら、かかとに重心がのる位置で止める。1に戻り、10回繰り返す

ただし歩けないほどの痛みがあるときは、姿勢や動作のせいではなく「変形性股関節症」の可能性も。痛みが強すぎると感じたら、医療機関で受診してください。

痛みのせいで歩くのがおっくうになると、短い距離でもつい車や公共の交通機関に頼ることになってしまいます。でも自分の足で歩けば健康に良いだけでなく、CO2の削減にも役立つことに。足の痛みとはお別れして、エコウォークを楽しみましょう。

監修

  • 木寺英史先生

    なみあし身体研究所代表、動作学研究家

制作協力

  • からだにいいこと

    創刊20周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。

【出典・参考文献】
『腰痛、ひざ痛、足首痛、外反母趾…痛くない!疲れない! 歩き方の教科書』
(朝日新聞出版)

このページをシェアする
  • LINEでシェアする
  • facebookでシェアする
  • X(旧Twitter)でシェアする