歩行中に足裏やかかとが痛くなるときの対策

歩行中に足裏やかかとが痛くなるときの対策

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足に関するトラブルで意外と多いのが、足裏やかかとの痛みです。放置していると痛む部分をかばって歩き、体のゆがみにつながりかねません。そうなる前にやってほしい対処法をご紹介します。

かかとへの衝撃がダメ―ジを与える

歩くときにかかとやその周辺がズキンと痛む。足裏に突っ張っている感じがある。階段を上がるときやつま先立ちをするときにかかとに痛みを感じる――こうしたトラブルの原因のひとつが「足底筋膜炎」です。

足底筋膜とは、つま先からかかとまでを覆う膜のこと。土踏まずを支え、歩行時の地面からの衝撃を和らげるクッションとして働いています。しかし足の裏に負担のかかる動作を繰り返すと、負担が増大して炎症を起こしてしまうのです。

足底筋膜に大きな負荷をかける動作としては、かかとからガーンと強く踏んだり、足裏を地面に打ちつけるような歩き方が挙げられます。
とくに男性の中にはこうした歩き方で足底にダメージを与えている人が少なくありません。剣道など強く足の裏を踏み込む動作や、陸上競技でこうした痛みが起こるケースもみられます。

大股歩きも要注意です。歩幅が広い歩き方はどうしても、強い力でのかかと着地になりがち。また歩幅が広いと自然と蹴る歩きになるので、親指への負担も大きくなります。

かかとへの衝撃がダメ―ジを与える

●足裏やかかとの痛みを防ぐ歩き方
足裏やかかとに痛みを感じる場合、大股歩きにならないように意識しましょう。
歩幅を狭くしながらうまく歩くコツは、上体をやや前傾させてから、足をみぞおちの真下に着く感覚で歩くこと。
みぞおちから足が出ている感覚を持つと、スムーズに体を運ぶことができるようになります。歩幅が狭くなり、かかとを地面に強く打ち付けることが少なくなるはずです。

そして足裏全体を地面につけて体重を乗せる感覚で歩くことで、足裏への負担が分散されていきます。
ひざが伸びているとつま先重心になりがちなので、着地する足のひざを曲げることも忘れないようにしてください。

また、ひざの曲げ伸ばしがスムーズになり、足裏全体を地面につけやすくするエクササイズをご紹介します。「またわり」で股関節を柔らかくする外旋運動です。

●またわりエクササイズ
1)床に座って、痛みが出ないぐらいまで両足を広げます。両手は太ももの上にのせましょう。両ひざを少し曲げてかかとを床につけ、つま先を浮かせます。
2)足の小指が床に着くように、両足を股関節からゆっくり外側にねじるように回します。1の体勢に戻り、これを30回繰り返しましょう。腰が丸まらないように注意して。

足裏の痛みに悩まされなくなると、自然と歩く距離も時間も増えてきます。車やバスに頼り過ぎず、体に良くて環境にも優しいウォーキングライフを送ってみませんか。

監修

  • 木寺英史先生

    なみあし身体研究所代表、動作学研究家

制作協力

  • からだにいいこと

    創刊20周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。

【出典・参考文献】
『腰痛、ひざ痛、足首痛、外反母趾…痛くない!疲れない! 歩き方の教科書』
(朝日新聞出版)

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