歩行中にアキレス腱やふくらはぎの痛みを感じる人は、姿勢と歩き方を変えることで、痛みを楽にしていきましょう。
かかとを着ける歩き方を
アキレス腱やふくらはぎが痛むのは、その部分の使い過ぎが大きな原因です。
歩くときにかかとを持ち上げると、ふくはらはぎの筋肉は収縮し、アキレス腱が引き伸ばされます。
急いで歩くときなどのように、足の前の部分で体重を支えてかかとが浮いたような歩き方をすると、アキレス腱やふくらはぎは働きっぱなしになり負担が大きくなります。
また、お尻やお腹が出る姿勢をとりがちな人は、つま先に重心がかかるので、いつもふくらはぎを使っている状態になります。心当たりがある人は、ふくらはぎを触ってみてください。パンパンに張っていませんか。
改善するには、歩く前の姿勢や歩き方を見直したり、エクササイズを行いましょう。
●ふくらはぎ・アキレス腱の痛みを防ぐ姿勢
壁に背を向け、壁から10cmくらい離れて立ちます。この状態で、お尻だけ壁に触れるようにします。頭と足は、壁から10cmくらい離れたままで。
つま先を左右15度ぐらい開き、足裏の小指側に圧力がかかるように意識しましょう。
この姿勢を、歩き出す前にやってみてください。
●ふくらはぎ・アキレス腱の痛みを防ぐ歩き方
歩幅を狭くして、かかと全体が床につくように歩きます。
ポイントは歩くときに前足部に体重を乗せないようにすること。
かかとだけで体重を支えるイメージを持ち、足圧はかかとから足裏の外側を通って、親指から抜けるように意識してください。
●かかとバランス立ちエクササイズ
かかとだけで体を支えて止まる感覚を養う「かかとバランス立ち」のエクササイズを試してみましょう。この姿勢がとれると、かかとからつく歩きがスムーズになります。
1)目線は前に向け、腰幅に足を広げて、両腕の力を抜いて立ちます。
2)つま先を浮かせてみましょう。かかとの後ろのほうだけでなく、かかと全体に体重をかけて、バランスを取って立ちます。
気になっていたアキレス腱やふくらはぎの痛みが楽になると、歩くことが楽しく感じられるはず。乗り物を使う時間を減らしてたくさん歩く生活にシフトすれば、CO2 削減につながり体力もついて一石二鳥ですね。
監修
木寺英史先生
なみあし身体研究所代表、動作学研究家
制作協力
からだにいいこと
創刊20周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。
【出典・参考文献】
『腰痛、ひざ痛、足首痛、外反母趾…痛くない!疲れない! 歩き方の教科書』
(朝日新聞出版)