長く歩いたときにすぐに疲れてしまうのは、歩き方が原因かもしれません。長時間でも楽に歩けるコツをご紹介しましょう。
「歩隔」を広げて3拍子で歩く
ハイキングでも街歩きでも、長い時間歩いたときにどのぐらい疲れるかは、歩く「リズム」と「歩隔(ほかく)」の2つの要素が大きく左右することをご存じですか。
まずリズムから見てみましょう。人は歩くときに、無意識のうちにリズムをとっています。「イチ、ニ」の2拍子は疲れやすく、「イチ、ニ、サン」の3拍子の方が疲れにくくなります。
理由は地面を強く踏み込む「軸足」にあります。「イチ」で地面につく足が軸足になるのですが、「イチ、ニ、イチ、ニ」の2拍子だと軸足がいつも同じ側になり、片方だけが余計に疲れてしまいます。ところが3拍子に変えると、軸足が左右交互に入れ替わるので、足への負担が分散されるわけです。
次に歩隔です。「歩幅」という言葉はよく聞きますが、「歩隔」は耳慣れないかもしれません。
歩幅は足を前後に開いた幅のこと。これに対して、歩隔とは、左右の足の間の幅のことです。
この歩隔が狭いと、疲れやすくなります。歩隔の狭い歩き方とは、左右の足が一直線の上を歩くイメージです。
この歩き方は、腰が回って体に負担がかかりやすくなります。
そこで歩隔を広げて歩くように意識してみましょう。ムダな動きが減り、体への負担が少なくなっていきます。
まとめると、体に負担をかける歩行は「歩隔が狭く、歩くリズムは2拍子」で、逆にラクラク歩行は「歩隔をやや広げて、歩くリズムは3拍子」ということになります。
いつでも疲れず長時間歩けるようになれば、車やバスを使う機会も減るはず。CO2を削減できてエコ効果も高いラクラク歩行に、歩き方を変えてみてはいかがでしょうか。
監修
木寺英史先生
なみあし身体研究所代表、動作学研究家
制作協力
からだにいいこと
創刊20周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。
【出典・参考文献】
『腰痛、ひざ痛、足首痛、外反母趾…痛くない!疲れない! 歩き方の教科書』
(朝日新聞出版)