ふくらはぎの筋肉が衰えると、歩幅が狭くなり歩きにくくなります。スムーズな歩行を取り戻すために、ふくらはぎの筋肉を鍛える効果的な体操を取り入れましょう。
ちょこちょこ歩きは筋肉の衰えから
歩くとき、歩幅の狭い、ちょこちょことした歩き方になる人は、ふくらはぎの筋肉が衰えているのが原因かもしれません。
ふくらはぎにある筋肉「下腿三頭筋(かたいさんとうきん)」は、歩く動作のうち、股関節を伸ばすときに体重を支える働きをします。
この筋力が低下すると、股関節を十分に後ろへ伸ばすことができず、地面を後ろへ蹴る動作がしにくくなります。すると、歩幅が狭くなっていくのです。
歩幅が小さく、ちょこちょこと歩いている人は、ふくらはぎの筋肉を鍛えるとスムーズな歩行がしやすくなります。
〈ふくらはぎの筋肉をチェック!〉
ふくらはぎの筋肉は非常に大きく、肌表面の近くにあるので、簡単に触ることができます。あなたのふくらはぎの筋肉の状態を、以下の方法で確認してください。
1)イスに座り、ふくらはぎに触れた状態で、かかとを床から浮かせる
2)筋肉の収縮の程度を確認する
筋肉が固くならず、収縮が確認しにくい場合は、ふくらはぎの筋肉が衰えている可能性大。ふくらはぎを鍛える体操を、すぐに始めましょう。
●壁の前で背伸び
1)壁に軽く手を着いた状態で立つ
2)背伸びをするように、かかとを床から浮かせる
3)限界までかかとを浮かせたら、ゆっくりかかとを下ろす
4)1〜3を20回×2セット行う
〈ここがポイント!〉
・膝が曲がらないように気をつけて、かかとを浮かせましょう。
・上げ下ろしはゆっくり行いましょう。効果がアップします。
・しっかり行うと、ふくらはぎが熱くなってくるので、確認してみましょう。
●前傾して片足立ち
1)手すりや壁に手をついて立つ
2)左足を一歩後ろに出す
3)右足を床から浮かせて15秒キープする
4)反対の足も同様に行い、各2セット行う
〈ここがポイント!〉
・必ず手すりや壁に手をついて行いましょう。
・体をやや前に倒すような感覚で行うと、ふくらはぎの筋肉がしっかり収縮します。
・つま先に体重が乗っていることを意識しましょう。
・前の足を浮かせると後ろの足にぐっと体重が乗ります。後ろの足の指で床をつかむようなイメージで行いましょう。
ふくらはぎの筋肉が鍛えられて歩行がスムーズになると、これまで少しの距離でも車に乗って移動していた人も自らの足で歩くよう意識が変わり、車から排出されるCO2削減にもつながります。環境にやさしい生活を送るためにも、トレーニングを続けていきましょう。
監修
西野英行先生
理学療法士
制作協力
からだにいいこと
創刊20周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。
【出典・参考文献】
『100歳まで元気でいるための歩き方&杖の使い方』(翔泳社)