以前より歩きにくさを感じることが多くなっていませんか? その原因は、筋肉の衰えかもしれません。ひざや股関節の曲げ伸ばしにかかわる筋肉のストレッチで、足をスムーズに動かせるようになりましょう。
ひざや股関節の曲げ伸ばしをスムーズに
足を動かしやすくするのに重要な筋肉のひとつが、太ももの前側の真ん中にある「大腿直筋(だいたいちょっきん)」です。
ひざを伸ばしたり、股関節を曲げるといった動きは、この筋肉の収縮によってできるのです。
この筋肉の柔軟性が低下すると、歩行中に背中が曲がりやすくなったり、後ろ足が伸ばしにくくなります。
歩きやすさを保つため、太ももの前側の筋肉の柔軟性を高めるストレッチを行いましょう。
●立って行う「前もも伸ばし」
1)壁に手を着くか、手すりにつかまった状態で立つ
2)右手で右足首を持ってひざを曲げ、片足立ちする
3)太ももの前面が伸びているの感じながら、20秒間キープする。左足も同様に行う
変形性ひざ関節症などでひざに痛みがある場合はひざを曲げすぎず、痛みのない範囲で行いましょう。
●座って行う「前もも伸ばし」
立った姿勢でのストレッチでは痛みが出たり、片足立ちが不安定で怖いと感じる場合は、座って行うストレッチを。
上半身をどのくらい後ろへ倒すかで負荷が調整できるので、自身の体の状態に応じて行えます。
1)床に足を伸ばして座る
2)右足の太ももを床につけたまま、かかとを外側に回すようにしてひざを曲げる。かかとがお尻に着くくらいまでしっかり曲げる
3)体の後ろに手を着いて、上半身をゆっくりと後ろへ倒す
4)太もも前面に、適度に伸びた感じがある状態で30秒間キープする。左足も同様に行う
このストレッチを続けると、歩くときの足運びがスムーズになっていきます。歩きやすくなることで、移動の際に車に乗る機会も減りCO2の削減にもつながります。心地よく歩ける生活を目指していきましょう。
監修
西野英行先生
理学療法士
制作協力
からだにいいこと
創刊20周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。
【出典・参考文献】
『100歳まで元気でいるための歩き方&杖の使い方』(翔泳社)