歩きやすい足づくり~たこ・うおの目のケア

歩きやすい足づくり~たこ・うおの目のケア

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足裏にたこやうおの目ができて痛みがあると、つい歩くのを避けるようになりがちです。快適に歩くために、たこやうおの目の対処法をお教えします。

靴の環境の改善で自然に治ることも

たこやうおの目は、痛みが出るまで気づきにくいものです。そこで足をチェックしてみましょう。
靴を脱いで素足になったとき、指や指のつけ根のあたりに、赤く腫れたり、硬くなっているところはありませんか。
それは、たこ・うおの目の予備軍。放っておくと、どんどん硬くなり、やがて痛みで歩けなくなることもあります。

たことうおのを見分けるため、できる場所や形の違いを説明します。

〈「たこ」ってな~に?〉
同じ場所に長く、くり返し圧力がかかったり、摩擦が起こることで、角質層がどんどん厚く、硬くなります。これが黄色みを帯びて、盛り上がった状態です。
骨の上の「面」にできて、皮膚の外側に向かって厚くなります。長時間歩いたときなど、炎症により痛みを感じるようになります。
できやすい場所は、前足部(足裏の前のほう)や足の親指の内側や親指・小指のつけ根など。足首には正座による座りだこも。

〈「うおの目」ってな~に?〉
まん中に芯ができるのが特徴で「目」と名づけられています。ドイツでは「鶏の目」というのだそう。
たこが「面」なのに対し、うおの目は皮膚の内側に向かって、くさび状の「点」で芯になっていきます。この芯に圧力がかかると、鋭い痛みが走ります。
足指の間、まがった足指の背面、前足部(足の前のほう)などにできます。骨と骨の間の関節にできてくることが多いようです。

靴の環境の改善で自然に治ることも

〈たこ・うおの目のお手入れ法〉
●痛みが少ない場合
まずは靴の環境をみなおすことが大切です。靴紐やベルトで靴の中で足が動かないように固定しましょう。指先も圧迫されないつま先の形を選んで履くようにします。
●痛みが強い場合
痛みがある場合には市販されている、たこ・うおの目の保護パットなどを使ってみましょう。かたいところをやわらかくするシールもありますが、ずれてしまってトラブルになることもあるので使用方法をよく読んでから使用してください。
症状が悪化している場合は、病院の受診を。病院ではハサミや医療用のカッターなどで削ったり、芯を摘出します。
自分で削るのはやめましょう。削りすぎで皮膚が弱り、防衛反応で逆に皮膚が厚くなっていきます。細菌が入って、足やリンパ節に炎症を起こすことも。

たこやうおの目と思っていたら、ウイルス性のいぼだったということもあります。削ると感染して広がってしまうので、なかなか治らないときは一度皮膚科を受診してください。

〈たこ・うおの目の防ぎ方〉
たこやうおの目は、削り取れば一時的に痛みは治まりますが、同じ場所が圧迫されれば、再発しがちです。
原因になりやすいのが、足に合わない靴。つま先の細い靴による圧迫や、ハイヒールで足が前に動くことによる摩擦によるものです。足にあっていない靴がないか、点検してみましょう。
外反母趾などになる足の変形があると、靴に当たりやすくなりがちです。

たこやうおの目の原因には、他にも足のアーチの崩れ、歩き方の癖など様々な要因があります。
困っている場合には病院を受診して、たこやうおの目の原因をつきとめることで、改善策がわかりやすくなるでしょう。

たこやうおの目の痛みがなくなると、気持ちよく歩けるようになります。移動に車を使わなくてもよくなって、CO2の排出が減るといった環境保護への効果も。
生活改善にもつながる、たこやうおの目のケアをぜひ行ってください。

監修

  • 高山かおる先生

    埼玉県済生会川口総合病院皮膚科部長、医学博士

制作協力

  • からだにいいこと

    創刊20周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。

【出典・参考文献】
『「ガサガサかかと」が危ない! 足の手入れが健康寿命を延ばす』(家の光協会)

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