爪の切り方は、自己流で行っている人が多いようです。実はまちがった切り方をしていることで、足のトラブルの原因にもなっています。
爪の長さは“指の長さと同じ”が正解
足は全体重を受けながら歩くという、大きな負担を受けている部位。足の爪にも大きな負荷がかかっています。
手の爪は長さや形を好みで整えてもOKですが、足の爪はトラブルを防ぐことを優先してケアしましょう。
医学的に推奨されている「スクエアカット」という切り方をご紹介します。
また、爪切りの後は爪やすりで整えましょう。これにもコツがあります。
〈「スクエアカット」のポイント〉
●長さは指の先端と同じかやや長めに
爪の長さは、指の先端と同じかやや長めにするのが目安です。
この長さにより、指が指先の皮膚に当たったり、食い込んだりすることなく、指を保護できます。爪のピンク色の部分ぎりぎりに切る「深爪」はさまざまトラブルのもとになるのでやめましょう。
●横にまっすぐ切る
横に真っ直ぐ切ってから、角を少しだけ切り、角に丸みを持たせます。
爪が四角形になるこの切り方は、地面を踏みしめるとき力が入りやすく、転倒防止や歩きやすさにつながります。
やりがちな、白い部分をぎりぎりまで切ることや、指のカーブに合わせた切り方は、歩くとき力が入りにくく、巻き爪や陥入爪などの変形の原因にもなります。
●爪切りは刃先がストレートのものを
スクエアカットに適しているのは、刃先がストレート(直刃)のタイプです。直線的に切れるので、深爪しにくいという利点もあります。
〈「爪やすり」の正しいやり方〉
●往復させない
爪は3層構造になっており、やすりを往復させてかけると亀裂が入りやすくなります。爪やすりは往復させず、一方向にササっとなでるようにかけるのが正解です。
●やすりだけでもOK
目が悪くて、爪切りを使うのが怖いという人もいます。その場合は、目の細かいやすりで数日おきにやすりをかけましょう。爪切りを使わずに、爪の長さを調節できます。
爪を正しく切ることで、体重をしっかりのせて歩けるようになります。歩行が快適になると、車を使わなくて済むようになり、CO2の排出が減って環境への良い影響も。
自己流の切り方を卒業して、歩きやすい体を保ちましょう。
監修
高山かおる先生
埼玉県済生会川口総合病院皮膚科部長、医学博士
制作協力
からだにいいこと
創刊20周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。
【出典・参考文献】
『「ガサガサかかと」が危ない! 足の手入れが健康寿命を延ばす』(家の光協会)