「偏平足(へんぺいそく)」は、歩いていると足が疲れたり痛くなることが。その対策をご紹介していきます。
足指や足裏を鍛えるエクササイズを
扁平足とは、足の縦のアーチが落ち込んで、足裏が平べったくなった状態の足です。
赤ちゃんのころの足裏は、脂肪が多いため凹凸のない扁平足に見えますが、2~3歳になると土踏まずがはっきりしてきます。
ただし、十分な運動をしていなかったり、何らかの先天的な原因により、土踏まずの形成が進まないことがあります。
また、成長してから扁平足になる場合は、関節がやわらかくて筋力の弱い人に多く見られる傾向があります。
扁平足だと、足が疲れやすくなり、足の痛みを起こして運動ができないといったトラブルにも。
足の縦アーチが落ち込んでいるため、足の内側部分や足底筋膜という足裏の部分を痛めやすくなります。
また、ひざが内側を向くことが多く、膝を痛めてしまうこともあります。
こうした扁平足のトラブルには、足の縦のアーチをサポートすることが対策のひとつになります。
たとえば、縦アーチをサポートするインソール(中敷)を靴の中に入れると、足の疲れや痛みが楽になっていきます。
市販品を使ってもいいですし、オーダーメイドのインソールもあります。オーダーメイドだと保険適用になることもあるので、整形外科や足専門外来などで相談してみてください。
また、足の筋肉や腱、じん帯が弱っているのもトラブルの原因となるので、足指や足裏を鍛えるエクササイズを行いましょう。
〈足指の動き、筋力をアップさせるエクササイズ〉
●ゴルフボール握り
1)ゴルフボールを、足裏の前足部分で2~3分ほど転がす
2)足指でボールをギュッと握って持ち上げ、放す。5回ほどくり返す
※足指でボールを握れなければ、まずは転がすだけでOK。
●足指じゃんけん
1)足の指先をギュッと握って「グー」にする
2)親指と薬指を前後に開いて「チョキ」にする
3)5本の指をできるだけ開いて「パー」にする。1~3を1日20回、2日に1回を目安に行う
※外反母趾の変形が進んでいる人は、症状が悪化する場合もあるので、医師に相談して行ってください。
偏平足の改善を目指すと、歩くのが楽になっていきます。すると車に乗ることも減り、CO2の排出が減って環境への負荷も減らせます。ケアを行って、快適な歩行を手に入れましょう。
監修
高山かおる先生
埼玉県済生会川口総合病院皮膚科部長、医学博士
制作協力
からだにいいこと
創刊20周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。
【出典・参考文献】
『「ガサガサかかと」が危ない! 足の手入れが健康寿命を延ばす』(家の光協会)