動きのいい体をつくる「肩甲骨はがし」

動きのいい体をつくる「肩甲骨はがし」

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痛みやコリなど、体のあちこちに不調が出てきて歩くのも大変……。そんなトラブルの改善に役立つのが、肩甲骨のエクササイズです。動きのいい体をつくっていきましょう。

肩甲骨をゆるめてスムーズに歩ける体に

スマホの操作などで、前かがみの猫背姿勢を長時間続けていると、首や肩の筋肉がかたくなり、肩甲骨のガチガチ度も加速します。

さらに、ガチガチの肩甲骨を放置していると、首や肩のこわばりが全身に広がり、腰痛、頭痛、めまい、さらにはスムーズな歩行を妨げることにも。

その対策となるのが「肩甲骨はがし」エクササイズです。
肩甲骨まわりを伸ばしたり回したりすることで、かたまった筋肉をほぐし、肩甲骨が大きく動かせるようになります。
すると連動して他の部位の動きもよくなってゆき、全身の不調改善につながっていきます。

肩甲骨をゆるめてスムーズに歩ける体に

〈肩甲骨の動きをよくする3つのエクササイズ〉
5分程度で簡単にできる“セルフ肩甲骨はがし”のやり方をご紹介します。毎日コツコツ続けることが大切です。

●肩甲骨はがしの第一歩「壁平行立ち」
1)壁にかかと、お尻、肩甲骨全面、後頭部をつけ、胸を張って立つ
2)へその下(丹田※)を締めるようにお腹に力を入れる。背中は、腰と壁のすき間を手のひら1枚分空けるように意識して
3)へその下とお尻の穴を最大限に締める。そこから70%くらい力を緩め、30%くらいの力で締め続ける。10秒間キープし、力を抜く。これを1日1回行う
※へそから指幅4本分ほど下。エネルギーの中心となる場所とされる

●肩甲骨を開く「柏手ポーズ」
1)両ひじを上方向に90度に曲げ、肩の高さに上げる。両腕を開いて、手のひらを前方に向ける。足は肩幅に開いて立ち、背すじは伸ばして胸を張る
2)顔の前で両腕を閉じながら、柏手をうつように「パチン」と音が鳴る強さで両手のひらを合わせる。できるだけ両ひじはくっつける
3)肩の高さに両ひじを保ちながら、両腕を開いて胸を張る
4)1〜3をリズミカルに10回繰り返す

●肩甲骨の可動域を広げる「肩回し」
1)両手を軽く握ってひじを曲げる。ひじを横に広げるように肩の高さまで上げる
2)左右の肩甲骨を寄せ合うイメージで、両ひじをゆっくりと後ろに引く
3)ひじで半円を描くようにしてゆっくりと腕を下ろす
4)1〜3を10回繰り返す

かたくなった肩甲骨がゆるみ、正しい位置に戻れば、体の動きがよくなり、全身の不調も改善されていくはずです。歩くときの足運びもスムーズになり、長く歩くことも可能に。すると、移動するときに車に頼りすぎなくなるため、CO2の排出も減り環境保護にも役立ちます。
痛みやコリで歩きにくさを感じている方は、肩甲骨はがしにトライしてみましょう。

監修

  • 藤縄理先生

    福井医療大学 保健医療学部教授

制作協力

  • からだにいいこと

    創刊20周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。

【出典・参考文献】
『専門家がしっかり教える健康図解 あらゆるコリ、痛みが消える肩甲骨はがし』(日本文芸社)

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