温め効果のある2つの食材を組み合わせたのが「酒かすココア」です。その効用や作り方をご紹介します。
研究で効果が明らかに
酒かすとココアは、どちらも体を温める効果があるという研究結果があります。
まず酒かすでは、摂取による体温変化を8週間にわたり実験した研究報告が。
アルコールと水分を除いた酒かす10gを含む錠剤を1日3回に分け摂取したグループと、摂取しないグループとで、冷却負荷をかけた手の温度の変化を比較しました。
その結果、冷却負荷10分後、30分後ともに、酒かす錠剤を摂取したグループのほうが、手の温度が早く回復し、温かくなることが認められました。
なお酒かすには、代謝を上げるビタミンB群が豊富という特徴があります。
一方、ココアではこんな研究結果が。
ココアと他の嗜好飲料を飲んだときの、体温や血流の変化を比較した実験で、ココアは他の飲料より体の表面温度の上昇が続き、指先の血流も増えました。
また、ココアには不足しがちな鉄分が豊富です。
この温め食材2つを合わせたのが「酒かすココア」です。
●「酒かすココア」の作り方
〈材料2人分〉
酒かす…10g
ココア…大さじ1/2
牛乳または豆乳…200ml
ブラウンシュガーやハチミツ…お好みで適量
〈作り方〉
1)マグカップにちぎった酒かすを入れ、分量の牛乳から大さじ1くらいを取り、加える。ラップをかけ、電子レンジ(600W)で30秒加熱する
2)スプーンの背を使い、酒かすをつぶしながらよく混ぜ合わせる。ペースト状になったら、ココアを加えて混ぜる
3)残りの牛乳を加え、ラップをして電子レンジ(600W)で2分ほど加熱し、温める。お好みでブラウンシュガーやハチミツで甘みをプラスする
冷え性の人は、寝る1時間前に飲んでいったん体温を上げると、眠気が訪れやすくなり、疲労回復に効果が期待できます。
体が温まることで暖房の設定温度を下げられると、エネルギー消費も抑えられます。体調を整えるのはもちろん、環境保護のためにも、温活飲料の酒かすココアをおいしくいただきましょう。
監修
清水加奈子先生
管理栄養士、国際中医薬膳師
制作協力
からだにいいこと
創刊20周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。
【出典・参考文献】
・月桂冠総合研究所「酒粕の血流改善および体を温める効果」
・森永製菓 ココアレポート「ココアの冷え性改善効果」