寒い冬は厚着をしがちですが、逆に体を冷やす原因になっているかもしれません。冷えにくい体づくりに役立つ、服装の選び方をご紹介します。
汗に体温が奪われて体が冷える
寒い季節、室内で激しく動いているわけでもないのに、じっとり汗をかく…。そんなときは、少し厚着なのかもしれません。
私たちの体には、周囲の温度が変化しても、体温を一定に保つための体温調整機能が備わっています。
汗をかくのもこの働きによるもの。かいた汗は、皮膚の表面で体の熱を奪いながら蒸発していきます。その結果、体温は下がりやすくなるのです。
そのため、寒い冬に汗をかくほど厚着していると、汗によって体温を奪われ、かえって体を冷やすことになりかねません。
体は寒さを感じると、脳が「熱を逃がすな」「熱をつくれ」という指令を出します。
それを受けて、毛細血管が収縮して末端への血流を減らして外への放熱を防いだり、ブルブルと震えて筋肉を動かすことで熱を作り出したり、といった動きが起こるのです。
ところが、厚着をしていると、一時的に皮膚の表面が温まるものの、体温調整機能の出番はめっきり減ってしまいます。
その状態が当たり前になると、体温調整機能がだんだんと鈍くなってしまいかねません。
逆に「ちょっと薄着」で外気の寒さを感じられる状態にしておけば、体温調整機能を発揮できる場面が増えます。すると寒さへの対応力が高まり、冷えなども感じにくくなるのです。
「ちょっと薄着」の目安は、室内で汗をかかない程度。たとえば、電車に乗っていたり、買い物をしているときに、じわじわと汗が出てくるなら、それは厚着と言えます。
外出するときは、温度調整がしやすい重ね着を心がけて、汗をかいたら薄着になりましょう。
「冷えにくい体」を手に入れれば、暖房がいらなくなったり、温度の設定を低くできて節電につながります。環境にやさしい生活のためにも「ちょっと薄着」を実践してみてください。
監修
大島宏明先生
鍼灸師、すずらん鍼灸院院長
制作協力
からだにいいこと
創刊20周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。
【出典・参考文献】
『血流をよくすれば、不調は消えていく』(三笠書房)