TRF・SAMさんにインタビュー「歳を重ねた今こそダンスを楽しもう」

TRFのメンバーで、ダンサーとしてさまざまな活動を続けているSAMさん。還暦を迎えた今でも若々しくキレキレなダンスは健在です。そんなSAMさんがこれまでの経験を注ぎ込み、様々な年代の方の健康増進のためにダンス未経験者でも気軽に楽しむことができる動きやダンステクニックを取り入れた「ダレデモダンス」というプログラムを旗揚げ。「誰もが無理なくリズムに合わせて身体を動かす楽しさを伝えたい」と語ってくれました。

SAMさんにとってダンスとは？

楽天シニア：
SAMさんが考える、ダンスの魅力とは何ですか？

SAMさん：
10代で初めてディスコダンスを知ったときから、一筋にカッコよさを追求してきたダンサー人生でした。でも30代、40代と年を重ねるうち、「それだけじゃないのでは？」と思うようになったんです。

ダンスって、何よりも「楽しい」ものなんですよね。音楽に乗って体を動かすのは、ほかのスポーツや体操ともまた違う、特別なワクワク感があります。医学的にも、心にも体にもポジティブな影響があるそうです。

とすると、ダンスは決して若い人のためだけにあるものではないですね。むしろ僕は、年を重ねた方々にこそ楽しんでほしいと思っています。心身を健やかにするためのダンスは、うまく踊ろうとか、カッコよく見せようとか思わなくてOK。「リラックスして、音に乗る楽しさを味わって！」と伝えたいですね。

ダンスをすると、こんなに変わる！

楽天シニア：
ご高齢の方々を対象に、ダンスのワークショップを開いているSAMさん。生徒さんたちにはどんな変化がありますか？

SAMさん：
皆さん、すごく変わられました。特に驚いたのは、3年も人工透析を続けていた78歳の方。最初は100m歩くだけで息が切れていたのに、「今は10kmだって平気です！」とおっしゃるくらい歩けるようになったことです。

他にも若いころからの冷え性が治った、という女性の方も。「手がいつも真っ白だったのに、ピンク色になった」のだそうです。

こんな風に、心肺機能や筋力や血流がアップするのは、ダンスに限らず「適度な運動」全般で得られる効果です。でもダンスの場合、楽しみながらできるのが嬉しいところ。つまり、心にも効果があるんですね。以前はうつっぽい症状に悩んでいたけれど、ワークショップに通いだしてから見違えるように生き生きされている方もいます。みんなで楽しめて交流できる、そんなコミュニティがシニアの方々の元気のモトなのだな、と実感します。

あと、ダンスは「脳トレ」にもなるんですよ。振りを覚えて、体で再現して、「次はどう動くんだっけ？」と考えることで、頭の中も大いに活性化します。

SAMさん考案・「ダレデモダンス」とは？

楽天シニア：
そんな踊って嬉しい「ダレデモダンス」について、ぜひ教えてください。

SAMさん：
老若男女を問わず、誰でも踊れるダンスです。振付も簡単で、初心者でもご高齢でも、安全に楽しく体を動かせます。

こういうダンスをつくれたらいいな、とかねてから思っていて。そんな時に医師のいとこに声をかけてもらって、病院で心臓疾患のある方々のリハビリプログラムをスタートしたんですね。それがダレデモダンスのはじまりなんです。一緒にスタートをしたいとこをはじめ、医師や理学療法士など専門家のご協力も得て、イチからダレデモダンスを作り上げました。それから5年経ちましたが、やはり皆さんお元気になって、疾患の再発もないそうです。

並行して「老齢学」も学びました。歳を重ねると体はどう変わるのか、どんな動きが効くのか。僕自身も勉強することでより理解が深まったように感じますね。
20人で始まった小さな輪がだんだん広がり、ワークショップになり、DVDになり……そして今回、このコラムをご覧の皆さんにもお伝えできて、とても嬉しいです。

最後にダレデモダンスの1ポーズを伝授！

楽天シニア：
次回からはいよいよ実践編。予告もかねて、簡単な動きをひとつ紹介していただけますか？

SAMさん：
では、股関節の動きを良くするステップを。膝を内側、外側、内側……と、ドアを開け閉めするように動かします。簡単だけど、カッコよく見えますよ！

コツは、膝だけを動かさず、股関節から動かすこと。そのほうが、使う筋肉量も多くなります。これは、ほかの動きでも同じです。太ももを上げるときも股関節から、腕を上げるときも肩甲骨から大きく動かしましょう。もちろん、痛みがあるときは無理しないでくださいね。

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