お腹が冷えると便秘や下痢になりがちですが、肩コリ、肌荒れ、体臭なども冷えが原因に。腸を温めれば、これらの不調が改善しやすく、病気の予防にもつながります。食事や衣服の工夫や、ながらテクで腸を温めて不調のない体を目指してみませんか。
お腹は季節を問わず冷えやすい
最高気温が5度以下の時と、体が急に冷えた時は便秘が起こりやすいことがわかっています。冷えは大腸がんにつながる可能性も。お腹の冷えはまさに万病のもとですが、逆に腸を温めて働きを整えれば、さまざまな不調の改善や予防につながります。ふだんの生活で簡単にお腹をポカポカにするテクニックをご紹介します。
○食事で温める
毎食、温かい食べ物にエクストラバージンオリーブオイルを加えて摂りましょう。胃の中でオイルの油膜が広がり、一緒に摂った食べ物の温度が冷めにくくなるのです。その熱により腸の温度が上昇していきます。
エクストラバージンオリーブオイルは、みそ汁や納豆、ラーメンなどにも相性がよく、ほんの少しかけるだけで十分です。エキストラバージンオイルがオススメの理由は、オリーブオイルの中でも、抗酸化作用が高いため。
なお、食事を取るとエネルギー代謝が上がり体温がアップしますが、この反応が最も大きいのが朝。朝食をよく噛んで食べることでも腸を動かし、温めましょう。
○衣類で温める
昔ながらの腹巻きは、腸冷え対策の強い味方。最近は薄手でも温かいものが出回り、着ぶくれしにくくなっています。日中も就寝中も1日中お腹を温めてくれて、冬の寒さだけでなく夏の冷房対策にも使えるので活用してみて。
また、外出時はショールやひざ掛けを持ち歩きましょう。脚だけでなくお腹まですっぽりカバーすると、お腹の冷えを防げます。
○ながらケアで温める
寒い時は自然と腕をさすりますが、そのままお腹もマッサージして温めましょう。両手の人差し指、中指、薬指をそろえて、おへそを中心に時計回りで押していきます。おへその真上からスタートして1周まわるようにすると、腸の働きが高まり、冷えの改善に。
また、腹式呼吸は腸の動きが活発になり温まります。息を吸うときお腹をふくらませ、吐くときはお腹をペッタンコに。お腹をマッサージする効果があります。
料理や掃除をしながら大きな声で歌うだけでもお腹を温めてくれます。
日常的に体を温める方法を知っておけば、暖房器具など電気の節約になります。室内の温度を温めるのではなく、体を内側から温めることを意識してみてください。
監修
松生(まついけ)恒夫先生
医学博士、松生クリニック院長
制作協力
からだにいいこと
創刊19周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。