仕事や家事で同じ姿勢をずっと続けていると、肩がガチガチに。そんな、こりかたまった肩を3分でほぐせるのが「腕ふりブラブラ体操」です。中国に古くから伝わる、腕ふり体操を試してみませんか。
腕をふって骨、筋肉、ツボを刺激
漢方では、古来「上虚下実(じょうきょかじつ)」が健康の基本とされています。これは、上半身は柔らかく、下半身はどっしりしていると病気になりにくいという意味です。
中国では、腕を前後にふる体操が古くから伝えられており、腕をふるためだけに中医学の病院に入院する患者がいるというほど。
「腕ふりブラブラ体操」は、誰でも簡単に肩甲骨が動かせるエクササイズ。効率的に肩回りの関節や、硬直しやすい背中上部の筋肉「僧帽筋」をほぐせます。また、全身の血流がよくなる「膏肓(こうこう)」というツボも同時に刺激するため、肩こりが効率よく改善できるのです。
やり方は、まずヒザの間にこぶし1つ分のすき間を空けて立ちます。両足のつま先、顔は正面に向けましょう。
腕をダランと垂らしたら胸を張り、お腹に力を入れて、腕を後ろに振ります。「後ろに!」と意識して、肩から動かすのがコツです。反動で腕が前に振られたら、また後ろへ。これを3分間繰り返します。
背もたれのないイスを使って、座りながら行ってもかまいません。
腕を振っている時は、以下のポイントをチェックしてください。
・腕を後ろに振った時、体の後ろ側で手のひらは上向きになり、最後は指先が自然に触れるようにする。
・手が前に出た時、みぞおちの前あたりで左右の指が触れるように振る。
・ひじは伸ばして行う。ただし、力を抜くことで自然とひじが曲がるのはOK。
腕を後ろに振ることを意識する「腕ふりブラブラ体操」は、下半身で踏ん張るのも特徴です。腹筋に力が入り自然と背筋が伸びるので、腰に負担がかからなくなって腰痛が改善するという効果もあります。
肩こりや腰痛がラクになると、体を動かすのがラクになり、車や乗り物を使わずに歩けることが増えて環境負荷を減らすことにもつながります。「ちょっと疲れたな」と感じたら、腕を振って体をほぐしてみてはいかがでしょうか。
監修
北濱みどり先生
国際中医師A級ライセンス資格
制作協力
からだにいいこと
創刊19周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。
【参考文献】
・『1日3分「腕ふり」で肩こり・腰痛がとれる!』