若さを保つには、骨量を維持することが大切です。骨は筋肉や内臓を支えるほか、代謝に関わるホルモンも分泌しています。つまり、骨の老化は全身の老化に直結します。「骨チェック」で、あなたの骨の状態を確認してみましょう。
骨は日々新しく作られている
骨は石のように硬いイメージですが、実は生きた細胞。日々、古い骨を壊して新しい骨を作る新陳代謝が行われて、今の骨が維持されています。
女性の場合は、40代の更年期に女性ホルモンが減りはじめると同時に、骨量も減少。閉経する50歳頃からはさらに急激に減っていきます。これは骨の破壊する細胞の働きを抑制していた女性ホルモンが減ることで、骨を壊すスピードに骨を作るスピードが追いつかなくなるためです。
骨は内臓や筋肉を支える役割を担うほか、代謝や発育・発達に関わるホルモン「オステオカルシン」も分泌しています。骨の老化は全身の老化につながり、進行すると骨がスカスカになる骨粗しょう症のリスクも高まります。
下の「骨チェック」で、骨の状態を確認してみましょう。
□更年期世代である
□BMI※が18.5以下だ
□乳製品や大豆製品、魚をあまり食べない
□座っている時間や車移動が多く、あまり歩かない
□全身の紫外線対策を徹底している
□親が骨粗しょう症である
※ BMI(Body Mass Index)は、体重と身長から算出する肥満度を表す体格指数。計算式:BMI(kg/㎡)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
1つでもあてはまる人は、骨の老化が進んでいるかもしれません。ただ、若い頃から骨密度が低い人もいるので、くわしく知りたい人は自治体の検診などで骨密度を測ってください。
骨粗しょう症になると、足を家具にぶつけただけで足指の骨が折れたり、転んで手をついただけで手首の骨が折れたりすることもあります。また進行すると、尻もちをつく、家具を動かすといった動作で背骨がつぶれてしまう「圧迫骨折」にも。
さらに骨がもろくなると、家の中で転んだだけで足の付け根が骨折し、人工関節が必要になる場合もあります。
骨を丈夫にする生活習慣にシフトして、スムーズに動ける若々しい体を維持していきましょう。骨がしっかりしていると、体を動かすのがラクになり、車や乗り物を使わずに歩けることが増えて環境負荷を減らすことにもつながります。大切な骨の健康を意識した生活を心がけて。
監修
加藤朋子先生
とも内科クリニック院長
制作協力
からだにいいこと
創刊19周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。
【参考文献】
・日薬理誌(Folia Pharmacol. Jpn.)145,201~205(2015)