元気な足をつくるには、足に筋力をつける必要があります。安全で効果的な「アイソメトリックトレーニング」を紹介しましょう。
筋肉を痛めず、短い時間で効果が
一生、自分の足で歩きたいと、誰もが思っているでしょう。
しかし、足は衰えやすいもの。3週間、運動不足の生活を続けると、足の筋肉は10〜15%も細くなるとされます。細くなった分、足の筋肉は弱くなります。
元気な足をつくるため、足の筋力を強化していきましょう。
筋力をつけるには、筋力トレーニング(筋トレ)を行います。
立って行う「ひざ屈伸」など、自分の体重をかけて行う筋トレもありますが、筋肉を伸び縮みさせるため、筋肉を痛めることがあります。また、重量をかけながら関節を動かすことで、関節を痛めることも。
そこで、安全で効果的な筋トレとして紹介したいのが、ドイツのテオドール・ヘッティンガー博士が提唱した「アイソメトリックス」です。
“アイソ”とは“等しい”という意味で、“メトリックス”は“長さ”という意味。“等しい長さ”すなわち、筋肉の長さを一定にしたまま行う筋トレのことです。
そのためには、関節を固定する必要があります。アイソメトリックスは、関節を固定したまま力を発揮する筋トレの方法です。
アイソメトリックスで筋力を強化するには、以下のように行います。
●最大努力(全力を出す)で力を出す
●最大努力を6〜10秒保持する
●3セット行う
このトレーニングの特徴は、安全性が高い、運動時間が短い、筋力アップの効果が高いことで、足の筋力をつけるのに理想的な筋トレといえます。
それでは、足の筋力を強くするアイソメトリックトレーニングを2つご紹介しましょう。
〈ひざを曲げてアイソメトリックトレーニング〉
1)立って、両手を腰に置く
2)足を肩幅に開き、足先が扇形になるようにわずかに外側に向ける
3)ひざを足先の方へ移動させながらひざを曲げる
4)両ひざを直角に曲げたら、その姿勢を6〜10秒間保持する
5)元の姿勢に戻り、1~4を3セット繰り返す
〈足を伸ばしてアイソメトリックトレーニング〉
1)椅子にやや浅めに座る
2)両手で座席の横を持って姿勢を安定させる
3)一方の足を伸ばして、床と平行になるまで持ち上げる
4)足先をすねの方へ思い切り引き寄せ、6〜10秒間保持する
5)足を入れ替えて同じ運動を行う
6)左右の足でそれぞれ3セット繰り返す
足の筋力がつけば強い足を維持でき、長く歩くことも可能になってきます。移動するときに車に頼りすぎなくなるため、CO2や有害物質の排出も減り環境保護にも役立ちます。
監修
湯浅景元先生
中京大学名誉教授
制作協力
からだにいいこと
創刊20周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。
【出典・参考文献】
『病気をよせつけない足をつくる』(草思社)