歩いているとき背中のリュックが重く感じられ、肩が凝ったり腰が痛くなったりしたことはありませんか。リュックの位置と姿勢を修正すると、楽に歩けるようになります。
リュックは体に密着させる
手で持たないので楽だと思ってリュック型のバッグにしたのに、なぜか疲れる。おまけに肩が凝ったり、腰が痛くなったりと、あちこち不具合も……。そんなときはリュックの背負い方と姿勢が間違っているのかもしれません。
●リュックの背負い方
楽に歩くためにまず大事なのは、リュックの位置です。
リュックと一体になるような感覚で、体にぴったりと密着させましょう。体とリュックの重心が近く、姿勢が安定していると、腰への負担も軽減されやすくなります。
反対にリュックと背中のあいだに隙間がある背負い方をしていると、重心が後ろに傾いて、腰に大きな負担が。体の重心とリュックの重心が離れれば離れるほど、リュックが重く感じられるはずです。
●リュックを背負ったときの姿勢
次に姿勢をチェックしましょう。一般に重いものを背負うと、バランスをとろうとして猫背になりがちです。こうなると胸が閉じて骨盤が後傾してしまいます。
その結果、重心が後ろにいき、足の筋力に頼って体を運ぶ歩き方になるので、体に負担がかかりやすくなります。
リュックで歩くときの姿勢は、上体をやや前傾させるのがポイント。
背中とのバランスがとりやすく、体を前に進めるのが楽になるでしょう。
リュックが重いときや階段や坂道を上るときは、前傾の角度を深くしてみてください。より楽に歩けるようになります。
また手は自然に振りましょう。大きく前に振ると、無意識にバランスを取ろうとして腕に力が入り、肩こりの原因になります。
ひざは軽く曲げることで、地面をぐっと踏み込んだときに、その反発によって生まれる力を上手に活用します。
リュックを背負って疲れずどんどん歩けるようになれば、ハイキングや山登りなどのレジャーだけでなく、街中でのロングウォークをさらに楽しめるように。
お金がかからず健康になるだけでなく、いま問題になっているCO2の放出を減らすことができて地球環境にも優しいので、いいことづくめですね。
監修
木寺英史先生
なみあし身体研究所代表、動作学研究家
制作協力
からだにいいこと
創刊20周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。
【出典・参考文献】
『腰痛、ひざ痛、足首痛、外反母趾…痛くない!疲れない! 歩き方の教科書』
(朝日新聞出版)