「ひざが痛くて歩くのが大変……」、そんな方たちに試してほしい、お風呂で行えるストレッチをご紹介します。
よく温まってひざを曲げ伸ばしする
ひざの痛みを抱える人の多くが、ひざが完全に伸びなかったり、曲がらない「拘縮(こうしゅく)」という症状に悩まされています。
その改善や予防に役立つのが、お風呂で行うストレッチです。
ストレッチは必ずお湯につかって、ひざが十分に温まってから行ってください。温まるとひざが柔らかくなり、痛みが和らぐからです。
ひざを曲げられる程度により、2つの方法があります。
●ひざを曲げたとき、ひざがお尻まで握りこぶし1〜2個分くらいまで曲がる場合のストレッチ
1)よく温まってから、浴槽の中で立ち上がる。浴槽のふちを両手でつかんで、ひざを徐々に深く曲げていく
2)痛くない最大限までひざを曲げたら、ゆっくりと10まで数える。痛くなく正座ができる人は、正座してもOK
3)浴槽のふちに手をかけて、ゆっくり立ち上がる
4)ひざに両手をあてて、ひざが伸びきるようにして、両手でひざを10回押す
5)1〜4を2回繰り返す
●ひざを曲げたとき、ひざが直角くらいまでしか曲がらない場合のストレッチ
1)浴槽でよく温まってから、座った状態で、両手で片方の足首をつかむ
2)痛みのない最大限まで、足首を引き寄せてひざを曲げ、ゆっくり10まで数える。反対側も同様に行う。
3)浴槽のふちに手をかけて、ゆっくり立ち上がる
4)ひざに両手をあてて、ひざが伸びきるようにして、両手でひざを10回押す
5)1〜4を2回繰り返す
お風呂ストレッチは、2回繰り返すだけで、それ以上の回数はやらないでください。また立ち上がってひざを伸ばすときに、はずみをつけて押さないように気をつけましょう。
ひざの曲げ伸ばしがラクになると歩きやすくなり、行きたいところに自分の足で移動できるようになります。車を利用する機会も減り、ガソリンや軽油の使用量が削減されエコにつながります。
お風呂ストレッチで、あなたもスムーズに歩ける足を取り戻していきましょう。
監修
黒澤尚先生
江東病院理事長、順天堂大学医学部名誉教授
制作協力
からだにいいこと
創刊20周年を迎えた健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。
【出典・参考文献】
『図解 専門医が教える!ひざ痛の最新治療と予防法』(日東書院本社)