人生100年時代といわれる中で、元気に長生きできるように「健康寿命」を延ばすことが意識され、そして好きなことができるように「資産寿命」も延ばす必要があるといわれています。
とはいえ、資産運用で失敗しては元も子もありません。このシリーズでは、本当にあったシニア世代の失敗事例を取り上げ、やってはいけなかった行動と、解決の手段を紹介します。
「低金利の預金よりも投資信託で運用した方がいいですよ。」と銀行で勧められた経験はありませんか?1998年12月に銀行で投資信託の販売が解禁され、それまでは証券会社でしか購入できなかった投資信託が銀行でも購入できるようになり、個人にとって投資信託がより身近な金融商品になりました。
その翌年1999年10月には株式投資の手数料が自由化となり、ネット証券が低コストでの株式投資を推進した結果、証券会社もそれまでの株式から投資信託を中心とした資産運用の提案へと変わっていきました。
それから20年が経った今では金融機関で販売提案がされている投資信託は、どうなったのでしょうか?資産運用の最先端をいく米国と日本の投資信託を比較してみましょう。
※出所:平成29年3月30日開催、家計の安定的な資産形成に関する有識者会議」(第2回)より抜粋
米国で投資される商品と比べて、日本では買付時に支払う「販売手数料」も運用中に支払う「信託報酬」も高い商品の規模が大きいことがよくわかります。米国では2003 年の投信不祥事(一部の大口投資家へ有利な取引が行われた)発覚をピークに投資信託の手数料経費率は右肩下がりに減少しています。
米国では主にインデックス運用(目安となるベンチマークに連動した運用スタイル。日本株であれば日経平均株価やTOPIXなど)が中心であり、日本ではアクティブ運用(目安となる指数ベンチマークを上回る成績を目指す運用)が主に提案されています。
では次に日本の大手金融機関が提案する投資信託の平均販売手数料を見てみましょう。
※金融事業者の「顧客本位の業務運営」の取組みについて(令和2年1月14日・金融庁)より作成
対面営業が中心の大手証券会社で販売されている銘柄は、主に営業員からの提案であることが推測されます。つまりは会社として営業員に販売推奨している商品と考えて良いでしょう。
では続いて大手ネット証券の投資信託の月間販売ランキングを見てみましょう。
※出所:楽天証券HPより作成、(ランキングデータ更新日:2020/03/30~2020/04/03)、基準価格は4/3を基準日としたもの、販売手数料、信託報酬は税込で記載
ネット証券では基本的に商品を勧めてくる営業員やアドバイザーはいませんので、個人投資家が自分で投資したいと思った商品を購入していることになります。基本的には低コストなインデックス運用や分散ファンドがランクインしています。
アクティブ運用は手数料が高めだからといって、運用成績が常にインデックス運用より良いわけではありません。だからといって低コストであるインデックス運用が絶対に運用成績が良いというわけでもありません。むしろ下落直面だからこそインデックス運用よりも下落していないアクティブ運用もあるでしょう。
そこで、投資信託を選ぶ時に大切なことを3つお伝えします。
- アクティブ運用の投資信託を選ぶときは、インデックス運用と過去の成績を比較する
- 自分の運用目的にあう運用をする
- 手数料をしっかり意識する
これからの資産運用のコツ
資産運用で個人が支払う手数料は年々下がっています。2019年12月にはネット証券各社が投資信託の販売手数料を無料にしました。これからはただ商品を提案してくるアドバイザーは価値がなくなる時代になってきています。個人投資家には朗報ですので、ぜひ大切な資産を運用・管理してくれるアドバイザーを探してみて下さい。
リーファス株式会社 登録番号 金融商品仲介業者 関東財務局長(金仲)第825 号
所属金融商品取引業者等:楽天証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第195 号
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