やってはいけないシニア世代の資産運用 西崎努 リーファス株式会社

第8回 コロナと一緒に生きるwithコロナ!何が変わり、何が変わらないのか??

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人生100年時代といわれる中で、元気に長生きできるように「健康寿命」を延ばすことが意識され、そして好きなことができるように「資産寿命」も延ばす必要があるといわれています。
とはいえ、資産運用で失敗しては元も子もありません。このシリーズでは、本当にあったシニア世代の失敗事例を取り上げ、やってはいけなかった行動と、解決の手段を紹介します。

コロナウイルスによって生活や仕事の環境が激変した人は少なくないでしょう。特に感染者が多かった都道府県では、GWどころかお盆まで帰省もできず、仕事終わりの飲み会や週末の外出も激減しているでしょう。

それによって、これまで優良企業として安定した利益を上げていた企業の業績を一変させ、逆に新しい環境に対応した企業が業績を大きく伸ばす結果になりました。そして、各社がコロナによって変わった環境に対応してきた現在では、新しい体制を整えつつある企業と、業種や事業内容によって対応することが未だに困難な企業があります。

では、これからの資産運用はどうしたらいいのか?自分の投資先は大丈夫なのか?それを知るためにも今回は、コロナと一緒に生きることwithコロナの中で業種ごとの変化についてお伝えします。これまでの固定観念で投資をしてしまうと大変な目に遭うかもしれませんので、過去に縛られずに変化に対応していきましょう。

コロナウイルスによって業種ごとの株価はどう変わったのか?

TVや新聞、ネットで流れてくるニュースを見ると生活の変化が、各業種にどのような変化を起こしたのか想像がつくのではないでしょうか?

観光・ホテル業界や旅客鉄道、飲食業界などコロナウイルスによって企業活動に制限が掛かったり、人やお金の流れが止まった業界は今も壊滅的な影響を受けています。先の見えないウイルスとの戦いに廃業を選んだ会社も多々あるようです。その一方で、企業活動や人々の生活スタイルの変化に対して新しいニーズも沢山でてきました。

総合的には景気はかなり落ち込んでいますが、景気と株価の動きは必ずしも一致はしません。日本全体の景気は中小企業の影響がかなり大きいですが、私たちが投資する株式はあくまで上場企業の株である点が理由として挙げられます。

まずは、コロナで相場も大きく下がった2020年3月から、落ち着いてきた8月末における業種ごとの株価の変化を見てみましょう。

東証業種別株価指数の過去5ヶ月の株価騰落率

こうして比較してみると、コロナショックが落ち着いた後に戻した業種と戻っていない業種が大きくわかれていることが見て取れます。

特に株価が上昇した銘柄とその理由は?

業種別に見て上昇した業種であっても、多きく明暗はわかれていますが、さらに企業ごとに見てみても大きな差があります。コロナ前に比べても、特に株価が大きく上昇した企業の事業と対応を見てその理由を探ってみましょう。

  1. 出前館
    コロナウイルスでの外出自粛の結果、デリバリーサービスを利用する人が増えていることは実感しやすいのではないでしょうか?最近はダウンタウンの浜田さんがCMにも出演し、広告マーケティングも活発です。Uberイーツと比較されやすい銘柄でもありますが、外出せずとも食事の用意ができる「巣篭もり需要」とうまくマッチしました。

  2. 弁護士ドットコム
    対面での打ち合わせを減らすことを目的として、無料で契約締結ができるウェブ完結型のクラウド契約のクラウドサインを多くの企業が導入しました。コロナ前までは契約する方法を従来の紙でのやり方から変更する決断をできる企業がほとんどありませんでしたが、ウェブで人と接触せずにすむことから導入が拡大し、「非接触型」のニーズをマッチしました。

  3. ブイキューブ
    最近はWebでのセミナーが増えていると感じませんか?対面セミナーの開催自体が難しくなった結果、多くの企業がセミナーをWebで開催し始めました。日本でのWebセミナー導入サービス最大手のブイキューブはまさに「Webセミナー需要」のニーズとマッチしました。

  4. メルカリ
    外出自粛で自宅で休日を過ごす人が増えた結果、家にある物を整理する人が増加しました。昔ならフリーマーケットに参加して売買をしている人もいましたが、今はネット上で簡単に売買することができるようになっています。そのフリマアプリの最大手のメルカリはまさに「断捨離需要」のニーズとマッチしました。

  5. オイシックス・ラ・大地
    巣篭もり需要の増加でニーズの増えたデリバリーサービスは、出前館のような料理の宅配サービスだけではありません。プチ贅沢や自宅で過ごす時間を有意義に使うために、食材の宅配サービスへの需要も増加しました。オイシックスはまさにこだわった食材を自宅にセットで届けてくれて、手軽にプチ贅沢な自炊をすることができます。まさに「食材宅配需要」のニーズとマッチしました。

どの銘柄も、コロナによって変化した生活や仕事の進め方への需要を満たすサービスを展開していた企業です。このコロナ後の「変化」にうまくマッチしたことでどの企業も業績を大きく伸ばし、株価も上昇する結果となりました。

これからの資産運用のコツ

ここ20年間の日本株式市場を見ても、ITバブル崩壊やリーマンショック、チャイナショックに続き、今回のコロナショックなど定期的に相場が大きく変化する期間がありました。コロナショックで特に注意するべきは変化の大きさだけでなくその速さです。この半年間で日本だけでなく世界中の人々の生活や仕事の環境は大きく変わりました。過去の経験則が通用しなくなっていることを理解して、新しい環境に即した投資をしていきましょう。

リーファス株式会社 登録番号 金融商品仲介業者 関東財務局長(金仲)第825 号

所属金融商品取引業者等:楽天証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第195 号

加入協会:日本証券業協会/一般社団法人金融先物取引業協会/日本商品先物取引協会/一般社団法人第二種金融商品取引業協会/一般社団法人日本投資顧問業協会

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